歪なアプローチ。
こんにちは。
clichéの木下です。
改めまして、僕の出身は三重県伊勢市。
伊勢神宮のお膝元で育ち、小学校、中学校を経て、
高校は松坂牛で有名な松坂の学校へ通い、
測量士という公務員になるべく日々勉強をしていました。
作業着で山へ登り、図面を描くために、毎週のように山を計測。
測量機、セオドライト、トータルステーション。
あれ、これ以上思い出そうとすると頭痛が...。
ちなみにこの内容は、今日のブログとはほとんど関係がない。
直線の図面、直線の図面。
測った人からどんどん図面を作成していき、
完成した順に帰宅。間違うたびに居残り。
賢い人とグループになった人が羨ましい、なんてずっと思っていました。
仕上げた後に確認してもらい、少しでもずれていたら書き直し。
というか、測り直し。改めて作業着に身をまとい、山へ繰り出すのです。
20時くらいまで残ったことも多々あったっけな。
いま思えば楽しかった思い出です。
なんにせよ懐かしい、伊勢市、松阪市。
ちなみにこれも、今日のブログとは全然関係がない。
でも、親和性はありそう?
CLASS
"CCES17UNI A"
¥50,600 (TAX IN)
伊勢市と松阪市といえば赤福や松坂牛。
他は皆さんご存知かはわかりませんが、
"伊勢木綿"、"松坂木綿"がとっても有名です。
歴史が長く、着物などに多く用いられてきた木綿。
肌触りが柔らかく、ガーゼのように肌に優しい素材で、
今では手ぬぐいやバッグ、財布など小物に用いられていることが多いものです。
模様もたくさん、縞模様などがあったり、カラーリングもさまざまですが、
今回のこのCLASSのシャツは、実は松坂木綿が使用されています。
今までも数回リリースがあったと記憶していますが、
オーダーした理由はほとんどが、松坂木綿を使用しているからってことだったり...。
地元愛。笑
なんの変哲もないシンプルな半袖シャツです。
ただ、よく見ていくと、襟が超小ぶりだったり、
袖も左右非対称という不思議な仕様になっています。
直線。
直線。
曲線を使わず、全てを直線で縫い合わせたシャツ。
前身頃、後ろ身頃、袖、襟、全てまっすぐの縫い目で構成されています。
着想源は、着物から。
伝統的な着物は江戸時代から変わらず、一反の布を無駄なく、
"直線裁ち"して作られてきたと言われています。
直線裁ち...?イメージできませんね。
今着ている洋服でもいいので、想像してみてください。
袖や襟、シャツの裾はラウンドしていたりと、
直線ではなく曲線の縫い目を縫い合わせているということは、
なんとなくイメージできるかと思います。
曲線は、直線で裁断するより無駄な部分ができてしまうので、
たとえ僅かであろうとも、生地を破棄する部分ができてしまう。
現代の洋服の袖、襟、前身頃、後ろ身頃など、
パーツごとに分けてもその服としての価値のみで、
ただのパーツでしかありません。
でも着物の場合は、同じ反物でも微妙に染めや色味にムラがあるため、
同じ反物は存在しないと考えて作るからこそ、全て直線なんだと言われています。
確かに言われてみてば袖も身頃も真っ直ぐ。
パーツごとに分けたら別の服として、なんなら風呂敷など、
別の用途として生地を使うことができて元の反物に戻せるという、リサイクル的発想が起源。
いやはや、勉強になります。
着物に用いられることが主流だった松坂木綿を現代のシャツへ。
そして、作り方は着物の流儀に則った、CLASSらしい歪なアプローチです。
CREDIT
BLESS "SMLXL Ready Made" ¥130,900 (TAX IN)
CREDIT
m's braque "WOOD&METALS NECKLACE" ¥23,100 (TAX IN)
CREDIT
m's braque "EASY PANTS(SHORT)" ¥42,900 (TAX IN)
CREDIT
CLASS "CCES02UNI A" ¥60,500 (TAX IN)
ジーンズ、ショーツ、白パン。上からネックレスなんかも。
半袖のシャツを着ないという方は多い気がしますが、
なんだか、和装のような渋みを感じる雰囲気。
サイズバランスも大きすぎないフリーサイズで、
落ち着いた空気感で着用できるのが魅力。
おおむね何でもOKな、何てことないCLASSのシャツは、
半袖シャツを着なかった人も着るきっかけになるくらい、
静かなインパクトがあるのではないでしょうか。
CLASSの洋服は、後からジワジワ欲しくなるっていう人が多いんです。
派手なデザインのものは躊躇してしまうが、
時間が経ってイメージが膨らめば、
あー、買っておけばよかったな。となるのが心理。
でもそれは、シンプルな服も例外ではありません。
こんな洋服は他にはありませんよ。
三重県のCLASS好き、松坂木綿が好きな方。
この機会に手に取ってみてください。
あ、あと、曲がったことが嫌いな方。
このシャツ、めっちゃ似合うと思います。
cliché 木下