手間暇の賜物。
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"Crochet Horizontal Stripe Pullover"と"Fluffy Wide Pants"の別注カラーってやつ!?
こんにちは。
clichéの石橋です。
先日、cantateのラストデリバリーがあり、全ラインナップが揃いました。
ラストを飾ったのはcantateの25SSシーズンを象徴するような、フレンチな雰囲気が漂うセットアップ。
cantate
“Silk Linen Forestiere Jacket”
cantate
経糸にシルク、緯糸にフレンチリネンを使用したフォレスティエールジャケットとフレンチトラウザーズ。
あまく織ることでハリがありつつも、しなやかで光沢が美しい仕上がりです。
そもそもフォレスティエールジャケットってなんなんだ?
あまり聞き覚えのない方も多いのではないでしょうか。
「左岸のアルニス、右岸のエルメス」とも言われ、エルメスと並べられることもあるブランド、「アルニス」。
そして、そんなフランスの伝統的なブランドであるアルニスに対して、
コルビュジェジャケットでもお馴染みの、建築家、ル・コルビュジェがオーダーして作らせたことで生まれたのがフォレスティエールジャケットなんです。
そんな、フランスに背景を持つ名品をベースに、
cantateらしく、こだわりのディテールを詰め込んだ至極の一着です。
襟裏、ボタンホール、ポケットのパイピング、エルボーパッチにはスエードを使用し、アクセントに。
もちろんこのスエードもただのスエードではありません。
cantateのレザーダウンにも使用されている、
シープレザーの王様とも言われる”エントレフィーノレザー”のスエードを使用しています。
あれ、リバーシブル?と一瞬勘違いしてしまいそうなほどの裏地の綺麗さ。
普段、裏地まで気にする方も多いかもしれませんが、
裏がここまで綺麗なジャケットはそうありません。
しかも、裏地にはコットンレーヨンツイル、コットンフランネル、コットンシルク生糸のサテンヘリンボーンの3種類の生地を使用しているなんて、普通ではあり得ない。
それぞれの生地の特徴が違うので、パーツごとに生地を変えることで着心地が格段に良くなる。
分かっていても普通は出来ないのですが、そこをやってしまうのがcantateの素晴らしさ。
アーム部分やみごろの裏地は表地に比べて生地にたくさんのゆとりを持たせることで、着心地が向上するだけでなく、
腕を曲げ伸ばしした時、厚着をした時などに、裏地が突っ張っらないことで表地まで響きにくく、見た目の綺麗さを保ってくれます。
ハカマ付き極太幅のマーベルト。
幅を広くすることで腰回りのフィット感、安定感が増し、着心地の良さに繋がるんです。
股部分の擦れによる生地へのダメージを防ぐシックは、
限界まで薄く仕上げるために切りっぱなしで手まつり仕上げ。
パンツもジャケット同様、細かなところまで気が利いた仕上がりになっています。
もう1つ、cantateといえばのこだわりはハンドステッチ。
パンツの前立てや、ジャケットの裏肩線など、
ミシンで縫ってしまうのが一般的な箇所も手間をかけ、
手まつりを、することで手の温もりを感じていただけます。
もちろん意味もなく手間をかけているわけではありません。
ミシンで縫ってしまうと縫い目が硬くなってしまいますが、
手縫いをする事でステッチに遊びというゆとりが生まれ、
体の動きに対応してくれることで着心地も良くなるんです。
それに加え、ジャケットとパンツの両方ともくせとりを丁寧に行っているので、
着た時のストレスのなさは半端じゃありません。
くせとりとは簡単に言えばアイロンがけ。
生地同士を縫い合わせる前にアイロンがけをし、体にフィットする形に生地を変形させる作業です。
なんとこれを職人が数時間かけて行うんです。
とんでもなく手間がかかっていますが、くせとりを行うか行わないかでは穿き心地が全然違います。
これに関しては実際に着ていただければ感じていただけるはずです!
CREDIT
CREDIT
cantate “Turtle Neck L/S Shirt”
Rios of Mercedes "Rural Kansas"
それぞれ、単体で着ても格好が良いですが、やっぱりセットアップで着るのがいいですね。
袖は折り返す事でバイカラーになるのでちょっとしたアクセントにもなります。
見た目はもちろん、作りの部分でここまでアピールポイントが詰まった服もそうそうない。
洗礼されたデザインに、贅沢な生地使い。
手間暇を惜しまない服作りはcantateの得意分野。
細かな部分のこだわりは、ぱっと見では気づかないかもしれませんが、知れば知るほど魅力的に映るアイテムです。
ぜひとも実際に手に取って、着て、良さを感じてみてください。
cliché 石橋