デニムから始めよう。
シーズンが始まると、まず何から揃えようかと考えます。
僕の場合、その答えはいつもパンツです。
こんにちは。
clichéの冨岡です。
トップスが変わっても、靴が変わっても、パンツが決まっていれば意外となんとかなる。僕にとってパンツは、そのシーズンの服装を考える上での軸になる存在です。
そんなタイミングで、cantáteから「まずはここから」と言いたくなるアイテムが入荷しました。

ブランド創立時から欠かさず作り続けているデニムです。
WW II T-Back Jacketをはじめ、パンツはDenim Straight 、Tapered 、Flare Trousersの3型が揃いました。
cantáteといえば、やっぱりデニム。
今回使用しているのは、1950年代のLEVI’S 501XXをベースに、cantáte独自の視点で再構築したデニム生地です。
当時の空気感を踏まえながら、経糸のテンションや本数まで調整。見た目にはしっかりとしたデニムらしさがありながら、実際に触れるとドライで軽やか。その見た目と着心地のギャップも、この生地の面白いところです。
ただ昔のデニムを再現するのではなく、今の生活の中でちゃんと穿き続けられるものにする。
昔の良さを残しながら、今の服として穿く。
それが、cantáteの定番デニムなんだと思います。
今回は、そんなデニムを一本ずつ見ていきます。


<cantáte>
"WW II T-Back Jacket"
¥71,500 TAX IN
デザインのベースは、通称「対戦モデル」として知られるS506XXE。




当時、大きなサイズにしか存在しなかった“Tバック仕様”をあえて採用。背中中央の切り替えやシンチバックなど、オリジナルに見られるディテールを丁寧に拾い上げています。
面白いのは、もっと細かなところ。
衿にはわずかに蛇行するステッチが残り、左右のボックスステッチもよく見ると形が違います。
「これ、ズレてる?」
最初はそう見えるかもしれません。でも、実はすべて意図して作られたもの。
綺麗に、均一に作ろうと思えば、今ならいくらでもできる。それでもあえて整えすぎず、当時のヴィンテージに見られる“揺らぎ”や“違和感”まで残しています。
再現しているのは、仕様だけではなく、その不完全さまで。
僕は、こういうところにcantáteらしさを感じます。




生地は最初からほどよくほぐれていて、デニムジャケット特有の「まずは着込んで馴染ませる」という感覚もありません。袖を通したその日から身体に馴染み、それでいて、ここから先の色落ちや経年変化もしっかり残されています。
ヴィンテージの空気感はある。でも、昔のものをそのままなぞっているわけではない。
昔の良さを、今の服として着る。
細かなディテールも、着心地も、そのために考えられている。僕はこのジャケットを見ていると、そこにcantáteらしさを感じます。


<cantáte>
"Denim Straight Trousers"
¥49,500 TAX IN


シルエットは、501XXをベースにした王道のストレート。
cantáteのデニムパンツの中では最も太さがありますが、いわゆるワイドパンツとは少し違います。太すぎず、細すぎず、穿く人の体型やスタイルにすっと馴染む。
結局、こういうストレートが一番頼りになる。
スニーカーでも、革靴でも、サンダルでもいい。合わせるものを選ばず、その日の服装をちゃんと受け止めてくれる懐の広さがあります。
そしてBLACKは、緯糸まで硫化染めを施したデニム。
穿き込むことでただ白っぽく褪せていくのではなく、黒の濃淡が残りながら、少しずつ奥行きのある表情へと変わっていきます。
新品の黒が完成形ではなく、穿いた先にある黒も楽しみたい。
定番として何度も穿くデニムだからこそ、その変化まで含めて付き合える一本です。


フロントは、クラシックなボタンフライ仕様。
デニムらしいしっかりとした表情は残しながら、穿き心地は思っている以上に柔らかい。ワンウォッシュ仕上げなので、大きな縮みを気にせず、最初から気兼ねなく穿いていただけます。
初めてcantáteのデニムを選ぶ方にも、すでに何本もデニムを穿いてきた方にも。
迷ったら、まずはこの一本。
流行やその日の気分が変わっても、結局また穿きたくなる。Straight Trousersは、そんなデニムだと思います。


<cantáte>
"Denim Tapered Trousers"
COL : INDIGO
¥49,500 TAX IN
シルエットのベースになっているのは、名作505のW40インチ。
あえて大きなサイズをベースにすることで、腰回りと太ももにはしっかりとゆとりを残し、そこから裾に向かってゆっくりと細くなるラインに整えています。
テーパードだけど、細く見せるためのテーパードではない。
腰回りのゆとりがあるから、Tシャツやスウェットと合わせてもいいし、シャツをタックインして革靴を履いても自然に収まります。
カジュアルにも、少しドレスアップした日にも。
穿き方を決めつけないテーパード。
そのくらいの自由さが、この一本にはちょうどいいと思います。

デニムシリーズの中で、1番長く展開しているモデル。
センタークリースが品の良さを引き立てるテーパードシルエットです。
すっきりとしたウエスト周りから、自然なゆとりのある腰回りへ。
そこから裾にかけて緩やかに細くなる、上品な印象ながら、やりすぎ感のないフォルムです。

細いパンツは苦手。
でも、大人っぽくて品のあるシルエットのデニムパンツが欲しい。
そんな方におすすめです。
ジャストサイズでは味わえない抜け感が生まれ、ほんの少しボリュームが出ることで、コーディネートにリラックスした雰囲気がプラスされます。
それでいて、シルエット自体はきれいにまとまるので、カジュアルすぎず、大人の余裕を感じるスタイリングが楽しめます。


<cantáte>
"Denim Flare Trousers"
¥49,500 TAX IN


ベースになっているのは、名品とされる517のW40インチ。
そのバランスを踏まえながら、現代のサイズ感とパターンで再構築した、cantáteでは長く作り続けている一本です。
そして、このパンツの面白さはシルエットにあります。
寸法上、膝幅と裾幅に差はありません。つまり数字だけを見れば、ストレートです。
それなのに穿いてみると、横や斜めから見た時に裾がわずかに広がって見える。
いわゆるフレアデニムのような分かりやすい広がりではなく、立つ角度や動きによって「あれ、少しフレアしてる?」と感じるくらい。その曖昧さが、このパンツの色気だと思います。
主張しすぎない。でも、普通のストレートとも少し違う。






だからこそ、フレアパンツに苦手意識がある方にも一度穿いてみてほしいです。思っているよりずっと自然で、今までとは少し違ったデニムの見え方を感じてもらえると思います。
こちらはワンウォッシュ仕様。最初から生地がほどよく馴染んでいながら、ここから先の経年変化もしっかりと楽しめます。
BLACKは、経糸・緯糸ともに硫化染めの黒糸を使用。
無骨なデニムでありながら、シルエットと黒の表情にはどこか色気がある。そのバランスも、この一本らしいところです。
新品を見ていると、その先がどうなるのかも見たくなります。
色の落ち方も、シワの入り方も、穿く人によって違う。
同じデニムでも、同じようには育たない。
Straight、Tapered、Flare。
どれも同じ生地なのに、穿いてみるとまったく違う。
靴も変わるし、合わせたいトップスも変わる。一本のパンツを選ぶだけで、その先の服装まで自然と想像が膨らんでいきます。
さて、今年はどのデニムから始めようか。
そんなことを考える時間も、新しいシーズンの楽しみです。
cliché 冨岡