結局買い足してしまった。
cantate "Denim Flare Trousers EXCLUSIVE"
こんにちは。
clichéの木下です。
引き続きcantate 22AWのご紹介を。
まだまだ暑いですが、秋冬も立ち上がり始めてそんなことは言ってられないので、負けじと長袖を着ています。
前回はTシャツと新型のタートルネックをご紹介したので、今回はシャツ。
このシャツに出会ってからも、色々なストーリーがあり、
元々馴染みのないロング丈のシャツ故、すすめられても拒み、ブツブツ言ってい多ことを覚えています。
「丈長くないすかあ・・。」
今よりも洋服を知らない木下少年は、軽率にもそんなことを投げかけていたのです。個人的にショート丈ブームの真っ只中だったんでしょうか。
思えば本当にお恥ずかしい話ですが、
「合わせ方わかんないっす!」
潔く、そんなことも言ってました。
デザイナーの目の前でよく言えたものです。
食わず嫌いと、新たな文化というのか、
自分の知らないものには飛び込もうとしない悪い癖が出ていたのでしょう。
めっちゃ嫌なヤツです。
そうして数年、なんだかんだ今では、週1,2は登場する名プレーヤー。
早く手を出さなかったあの時の僕を恨むと共に、
仕立て、そしてこのシャツの形が良いという実感を繰り返しています。
もう数枚持っているので、今回は、、とか思いつつもまたアップデートを繰り返し、絶妙にもツボをついてくるこのシャツ。
はあ、また買ってしまうのか、、。
嬉しいやら悲しいやら、そんな気持ちでご紹介します。
cantate
¥48,400 (TAX IN)
数シーズン続いた白シャツ・ストライプシャツのバリエーションも
今回で終わりを告げ、無地のみとなりました。
ストライプは既に持っている方も多いので、心機一転リニューアルというところ。
レギュラー・バンドの2モデル展開はそのままに、
今までと同じくGIZAコットンを使用し、ネルシャツとしてリリースです。
でも同じといっても見た目には大きな違いがある。
ネルシャツは、表面が起毛したものを指しますが、
このシャツは起毛しているとはいっても、織りの表情がくっきりと見て取れるし、
触っても地の目が歪まない、強く引っ張っても滑脱しない。
肌触りもカシミヤのような柔らかさや光沢があって、
綿100%とは思えない仕上がりに感じました。
糸の撚糸においてよく聞く、強撚/甘撚。
その強さの度合いによって、風合いや強度には大きな変化が出てきます。
強撚の場合その名の通り強く、そうすることでハリやコシが出て、
時にはざらっとしたシボのような表情にもなり、イメージはリネンみたいなものに近い。勿論強度も高いです。
反対に甘撚の場合、やわらかく、より繊細な表情に仕上がります。
しかしながら強撚に比べると強度が劣る。
でもふっくらとした温かみのあるシャツを作るとなると、選びたいのは後者です。
ただその強度というデメリットも、糸を使った後の段階"織り"によって左右されるので、
甘く撚っても、丈夫な生地を作ることができるんだそうです。
それを可能にするのは、ごく有数なのだそうですが。。
何を言いたいかと言うと、このシャツはGIZAコットンを甘撚にし、
繊細で柔らかくふっくらとした風合いを出しているのですが、
適切な打ち込みで、耐久性が劣らなず、この風合いを残せるギリギリのところで仕上げているということ。
逆にそのまま、強度を高めるんだー!といって打ち込みを強くしすぎてしまうと、
生地も硬く、それこそ着用感もひどいもの、着れたもんじゃ無い。
シンプルで今までのシャツと同じ感覚で物を見ていたので、
どこが、どうなんだ、と思っていましたが、このシャツの本質は糸ではなく織り。
毎回圧倒される物作りです。
型は同じですが、こういったシンプルで良いネルシャツにも出会えていなかったので、僕もしっかりと抑えさせていただきました。
室内なのでもう着ていますが、外で着るのが楽しみです。
カラーはCHARCOAL / AZURE BLUE / MILKの3色展開。
中間色の淡いカラーは、良いメリハリを生んでくれるはず。
襟で大きく印象を左右するシャツですが、立体的で背筋がピンとする仕上がり。
見た目からも柔らかい印象で、ジャケットなどの上物を着ても馴染む絶妙な高さとバランス。
ふんわりとして見えるのは、接着芯ではなく、フラシ芯を用いているから。
触ってパリッと硬くなければ、それがフラシ芯です。
袖のカフスも同仕様、同じくメリットは満載。
袖先にはアールを入れて形成し、合わせて細かくステッチを。
袖先から覗く袖も抜かりなし。
そして例の丈ですが、やはり長めです。
以前書いたシャツのブログでこのメリットについてお話ししましたが、
このシャツはサイドスリット、着丈を長くすることでブラウスのようなイメージに作り上げています。
反面ディテールに関してはドレスシャツさながら。
その緩急とイメージが中和された仕上がりこそ、癖になるポイントだと思っています。
腕を上げたりしても裾が出辛く、だらしなく見えない。
タックインした時のブラウジングもし易く、気分で溜まりの調整すらできてしまう程。
アウトしている時も、ジャケットから覗く裾が大活躍してくれて、
僕にとっては必要不可欠なシャツです。
そもそも丈に関しては前述にもあるように裾が出ないようにだとか他にも色々あるのですが、
文字に起こし辛いので、よければ調べてみてください。笑
グランパシャツとかは、正にその類。
黒が退色したようなCHARCOAL。
同じくCHARCOALのスウェットパンツに合わせて同色合わせも良いし、
シンプルにデニムに合わせても良い。
かなり先かと思いますが、
いずれ日焼けをしてもっと表情が出てきたら格好がいいだろうな。
リンガーTや、プリントの掠れたTシャツとの上からの羽織としての使い道も楽しみです。
程良くグレー味のあるAZURE BLUEは、
中々自分のワードローブにも加えてこなかった一枚。
というよりも出会う機会も少ない色なので合わせ方をどうしようとも思いつつでしたが、よく馴染む。
コートの下に忍ばせて、小粋な色合わせで遊んでみてはいかがでしょう。
もうすぐ新色も入荷予定のカーディガンと合わせて。
色味も勿論ながら、裾の感じがドツボです。
ポケットに手を入れた時のくたっとした溜まりも良いです。
CHARCOALと悩まされたMILK。
アイボリーのようで、優しさのある澄んだ色です。
数ヶ月後に残ってたら買ってそう・・。
まだ暑くてできませんが、秋のイメージでタートルとの合わせ。
色の組み合わせは完全に好みですが、結構推奨の組み合わせです。
もうこのシャツでいうと所有5枚目くらいでしょうか。
白のレギュラー、ストライプのバンド3枚、そしてこのネル。
毎回絶妙なところついてくるので、結局買い足してしまう。
もういいか。と一息をつく暇がない。
そして手元にあるシャツも、シーズンを跨ぐ度にどんどんカッコ良くなっていく。
そんなこのネルシャツは、どういった表情を見せてくれるのか、
という楽しみもある一着ではないかと思います。
余談ですが、先日よく来てくださっている方とお話ししていて、
ある程度の高い洋服を買うようになったきっかけってなんだっただろうか、という話題になりました。
年取ったなって感じた時、結婚して子供ができてからかな〜等。
世の中はお小遣い制が主流かと思うので人それぞれかと思いますが、
歳重ねて、色々な人と会うようになった時、でしょうか。
目が肥えた人がたくさん周りにいたら困りますが、、、それこそイメージにも関わるし、派手な洋服を着ていなくともシャンとして見えて欲しいだとか、
嫁の目も気になるし、であまり下手な買い物もできないから、良い洋服を買う。
品質のみならず、そこに付随して手入れであったり、買ってから縮む縮まないであったり。
勿論そこには自分の好きなデザインがなければいけないけれど、重要事項です。
買ってめちゃくちゃ縮んでしまった。
そうなれば買い直さなければならない。
いやいや他にも使いたいし、、お金が無駄になったことに凹むし、色々問題が出てくる。
一つ挙げるとcantateの洋服は全てワンウォッシュがかかっていて、
サイズ選びも容易、買ったら経年変化のみを気にしていたら良い。
そんな消費者への気遣いも、僕がこのブランドを好きなポイントだったり。
表題のシャツから大きく話が逸れてしまいましたが笑
オンラインにも掲載しているので、是非チェックしてみてください。
ということで僕はバンドカラーのCHARCOALを選ぶことに。
結局、買い足してしまうんだよなあ。
cliché 木下