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ファッションは真似をすることから始まる。

ファッションは真似をすることから始まる。

clichéとは、決まり文句。

その為のお店です。

旅行に行きたい。

あわてんぼうのサンタクロース。

これからのスタンダード。

茶色、最高。

 

こんにちは。

clichéの木下です。

 

経年変化だなんだって、あれは洋服を大事に、長く着ないとわからない世界。

長持ちするかどうかというのは、持ち手のケア次第で変わる。

でも最低限の品質は必要です。

 

今出回っている古着達は、状態がいいものもあれば、ボロッボロ(誰が着んねん!)みたいなものもある。

ここまで残っているものは、やはりクオリティが高く、そりゃ残るわって思うものばかり。

時には誰かがリペアを施し、オンリーワンのものとなる。

そして僕らがそこにロマンを感じ、買ってしまうことだってあるほどだ。

 

古着を買う理由はなんだ、と聞かれたらなんて答えますか?

見たことのないデザインがある、古い物が好き、ボロボロな物が好き

レアだから、その背景を知られるからとか、同業者ならサンプリングする為、とか。

でも一番多いのはお金がない、安く済むからでしょう。

 

僕だって古着は好きです。勿論古着屋にもいきます。

ですが、新品を売る販売員としては、半分ディスってます。

  

さて、今回も長ったらしく洋服の話をします。

テーマは"グランジ"についてです。 

 

 

 

グランジは、英語のGrungy=薄汚い・ボロボロ等を指す、8,90年代のロックの様式を指す言葉。

時にはファッションとしても用いられ、やはり真っ先に浮かぶのは、誰しもが知っている、伝説となったミュージシャン。

NIRVANAの"Kurt Donald Cobain"。

 

男なら一度は憧れ、そうでないとしてもどこかで真似をしてしまったり、

グランジじゃん、みたいにちょっとアガったりしてきたと思います。

 

大学時代、僕は軽音部でバンドをしていたので、みんなもNIRVANAやBlack Sabath、Sonic Youth、Red Hot Chili Peppersのに憧れ、コピバンを組んでいました。

そういえばKNOCK OUTの先輩、シンくんがボロボロのデニムにロン毛、カーディガンにネルシャツで登場して引かれたって言ってたな...(※結果帰宅部です)

 

そんな風に映る、数十年経っても尚憧れる存在、カルチャー。色濃く残る。

 

長きに渡って語り継がれ、既に多くの方に親しまれ、多く出回った結果、彼らが着ていた服・ファッションは定番として挙がってくる。

しかし、当時は世間にもてはやされ、煌びやかな彼らの印象とは裏腹に、商業的かつ流行りとして一人歩きしていくことに、当の本人達は葛藤を感じていた。

よく思っていなかったと言います。

 

 

もしかしたらボロボロの洋服が好きだったかもしれない。

正直かっこいいし。

でも好んでずっと着ていたかと言われれば、彼らの生まれ、育ち等、

結果お金がなかったから、という理由に集約されるのかなと。

そしてそこに愛着を持ち、愛用し続けた結果ボロボロになっていった。

 

彼らのスタイルは、あくまで自己表現であり、ありのままの姿。

ただただ、普段通りなんです。

そのスタイルでたまたまロックをやっていて、社会に対して疑問を唱えていた。

普段通りで、ロックをしていただけ。

 

一着一着に愛着を持ち、大事に、そして長く愛用してほしいと思うそれは、

僕たちの商売とも通づるものがあるんじゃないかと。

 

好きなことをとことん突き詰め、自分を信じてやり続ける。

ブレそうになっても近い人が軌道修正してくれる。

でも耐えられなくなって、27歳という若さでショットガン自殺。

本当に自殺だったのかまだ検証が出続けているようですが、それが最も有力なお話。

 

正直かなり辛いし難しいことですが、媚を売らず、

言っていることとやっていることが相まった姿に憧れる。そこに嘘はない。

 

数々の名言がありますが、僕はこれが好きでした。

 

"It's better to burn out than fade away."

=徐々に消えていくくらいなら燃え尽きたい。

 

全ての答えを知るまで自分たちの考えを表現する権利なんてない。

 

そんな気持ちで、今回このアイテムを作りました。

 

 

cantate

"Stupid Border Inspired by Kurt"

COL:KURT

SIZE:OS

¥132,000 (TAX IN)

 

2シーズンに渡って継続展開している、"Stupid Shaggy Cardigan"の新型として、クルーネックを作成しました。

カラーはゆったりとしたワンサイズ展開、あの配色を採用した、"KURT"のみの展開になります。

 

元を辿れば誰が作ったのか、どこのブランドなのかもわからない。

SEARSか、 TOWN CRAFTか、もしくは誰かに作らせた衣装なのか、赤×黒の太いピッチを採用したモヘアクルーネック。

随所にはダメージが入り、ボロボロになったその洋服は、カーディガンに次いで彼を象徴とするアイテム。今までも多くのデザイナーに影響を与えています。

ただ当時のものとなると、精一杯作ったとしても毛が抜け落ちたり、簡単に破れてしまう。

現代の洋服としては不向きです。

 

かといって化学繊維を入れて作ってもカッコよくない。

長く着られる、そして愛着が湧く、それをキーワードに仕上げたイメージ。

 

 

カーディガン同様に、モヘア55% / シルク45%といった、なんとも馬鹿馬鹿しい組成で仕上げ、一般的なモヘアニットでは使われている化学繊維は一切使っていません。

最初から長めの毛足で起毛を掻いていますが、着る度、ブラッシングする度に毛足が光沢を増しながら、

まるで成長していくかのような風合いを楽しんでいただけます。

加えて毛は抜け落ち辛く、衣類への付着によるストレスも軽減。

モヘアにありがちなストレスをなくし、粗野なアイテムでありながら、非常に上品な面持ちとなっています。

 

 

でもダメージじゃん、グランジじゃん。

というように、このアイテムが綺麗で丈夫、というのには、意味がない、違くない?そんな意見もあるかもしれません。

ですが、長く着ていくことで風合いが増し、手元にもずっと残る洋服に、間違いなくなる。

数十年後、経年変化でダメージが入り始めたら、潔く破いてもいい。

(松島さんは昨日の夜中破いたようです。)

そこからはグランジとして、捉えていただければいいんじゃないかと思います。

 

冒頭でも言ったように、

経年変化だなんだって、あれは洋服を大事に、長く着ないとわからない世界。

長持ちするかどうかというのは、持ち手のケア次第で変わるが、最低限の品質は必要です。

 

良いものを長く、そうして見られる世界が一番かっこいいし、天然繊維の持つ美しさも乙です。

そうして長く受け継がれたものに対して僕らはロマンを持つ。

誰が着ていたのか、誰がリペアを、ダメージを施したのか。

 

それが本来の洋服の在り方ではないでしょうか。

 

着用:175cm

 

着用:168cm

 

ワンサイズでゆったりと仕上げ、実はピッチ幅にもカラクリがあります。

過去の写真を見てみると、なんとなく肩の部分のボーダーは太め、その下は細く、次はまた太くなっているんです。

 

そんなわけのわからないデザイン、誰が考えたのか。

やっぱり衣装用なのか。

 

 

大体みんな、ファッションは誰かの真似から始まる。

でもただ真似をしても、オリジナルを超えられない。

例え超えるつもりがなかったとしても、

ただ真似で終わってしまっては、意味を成さない。

 

先程書いたセリフにもあるように、カート自身が言いたかったこともそうなのだろうと。

そんなのは、流行りに乗っかっていく商業的で薄っぺらいトレンドだ。

ましてや今なんて情報が行き交う世界で、今後もっとそうなっていく未来しか見えない。

 

買い手は良い。買う方に罪はない。

売り手の僕らが肝に命じなければいけないこと。

"グランジ"を通してそう感じました。

 

"grunge is dead"

カートがその薄っぺらいトレンドに対して皮肉を込めて、

メディアに現れたTシャツには、ガタガタのフォントでプリントされていました。

 

こういう洋服があれば、ファッションも続くと、そう思います。

簡単ではないし、馬鹿馬鹿しい。

でも誰かがやらないければいけない。

cantateの洋服は、カルチャーを通して沢山の物事を教えてくれる。

 

"It's better to burn out than fade away."

=徐々に消えていくくらいなら燃え尽きたい。

 

燃え尽きなきゃ意味がない。

貫かなきゃ意味がない。

 

皆さんに押し付けるつもりなんかさらさらないけれど、 伝わると嬉しいです。

 

そういえば彼は27歳で死んだんだなと思いつつ、僕は今日28歳になってしまった。

カートかっけえ...。

 

※こちらの商品は、11/12 (土) 12:00より、店頭/オンラインストアにて販売開始します。

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cliché 木下 

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