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「縮みません」を、信用しなかった理由。

「縮みません」を、信用しなかった理由。

僕の”Essentials”。

スーツは誰のために着るのか。

どこかへ行きたくなる服。

特別なネクタイの、長い話。

 

いいシャツって、何で決まるんだろう。


生地の良さか、仕立ての良さか、それとも佇まいか。

たぶん全部なんだけど、夏に限って言えばもう少し単純で、「ちゃんと着続けられるかどうか」なのかもしれません。


こんばんは。cantáte 松島です。


今日はレーヨンのシャツの話を。

<cantáte>

"Lazy Luxe Rayon Shirt"

COL : BLACK BASE , MILK BASE

¥59,400 TAX IN

まず、作りから。


このシャツは、50年代の空気をベースにしたボックスシルエットのオープンカラー。

肩の力を抜いて着られる形ですが、ストレートに整えたラインで、だらしなくは見せないようにしています。


細い布を中縫いしてベルトループのようにひっくり返したディテール。

安物は紐が使われています。

 

トップボタンはチーループ。

小さな仕様ですが、閉じたときにほんの少しだけ表情が変わる。

主張しないけど、ちゃんと残る違和感。


しっかり手で付けられた、貝ボタン。

 

ボタンは高瀬貝。

強く光らない、わずかに鈍い光沢がレーヨンの質感とよく合うんです。

ここが軽い素材だと、一気に全体の空気が崩れる。

 

表、芯、裏の三層構造。

表がぷくついているのが見て取れる。

表はカフス付けステッチが2本、裏は1本。

これがフラシ芯止めステッチです。

 

芯地はフラシ。

あえて固定しないことで、生地の落ち方をそのまま活かしています。

レーヨンは整えすぎるより、流した方がいい。


次に、縫製とディテール。

 

美しすぎるハンドギャザー。

 

袖口と背面ヨークには手作業でギャザーを寄せています。

機械で均一に整えることもできますが、あえて手でやる。


ほんのわずかな揺らぎが出て、それがそのままドレープに繋がる。

静止しているときより、動いたときに良く見える服は、こういう部分で決まります。

太番手で縫われた巻き縫い。

つまりチェーンステッチによるパッカリング。

 

縫い目の細かさや縫い代の処理も同じです。

肌に直接触れるものだから、違和感が残らないように整えている。

意識されることは少ないけど、着続けると確実に差が出るところです。


そして、生地。

 

真夏の着用を想定して設計したレーヨンシャツ地。

薄手ですが、密度を持たせています。


レーヨン特有のひんやりしたタッチと落ち感。

それを軽さだけに振らず、少しだけ重さを残してコントロールしているイメージです。


オンブレチェックは4色の糸で構成したツイル。

色と色が重なって、単色では出ない陰影が生まれる。

遠くからは静かで、近くで見ると奥行きがある。


気づく人だけが気づく、そのくらいでいいと思っています。


ここからが、このシャツの一番大事なところかもしれません。

品質表示なんて写真を撮ると思っていなかった、、、

 

レーヨンなのに、洗えるということ。


製品洗いとタンブラー乾燥をかけているので、これ以上の大きな縮みはほぼない。

つまり、家で水洗いができる。


普通のレーヨンはドライクリーニングオンリーです。

ただ、ドライクリーニングでは汗汚れは落ちない。


油汚れは落ちても、汗や水溶性の汚れは残る。

だから、きれいにしているつもりでも、実際には少しずつ蓄積していく。


結果、汚れに怯えながら着ることになる。


さらに言えば、縮みが気になると、そもそも家で洗えなくなる。

洗うたびにサイズが変わるかもしれない、風合いが変わるかもしれない。

そう思うと、手が止まる。


ぼく自身、ブランドを始める前は、誰かが作った服を買う側でした。

その中で、「縮みません」と言われたものが普通に縮んだり、

風合いが大きく変わってしまったり。


そういう経験を何度もしてきています。


「縮みません」という言葉ほど、信用できないものはなかったので。


だからこそ、最初からその不安をなくしておく。


cantáteでは、洗える前提のものに関しては、すべて製品洗いを入れています。

縮みや歪みが出る工程は、あらかじめ通しておく。


見た目のためというより、ちゃんと使える状態で渡すためです。


このシャツも同じで、着て、洗って、また着る。

そこまでを前提に設計しています。


スタイリングはシンプルでいいと思います。

真夏は一枚で。

少し涼しくなったらインナーとして。


レーヨン特有の色気は、少しだけ抑えています。

その代わり、消えない存在感を残す。


派手ではないけど、ちゃんと残る。

そういうバランスです。


目が肥えるって、選択肢が増えることじゃなくて、

残るものが減っていくことなのかもしれません。

着るたびに気を使う服は、どこかで手が伸びなくなる。

ちゃんと着て、ちゃんと洗えるものだけが、最後に残る。

 

3月28日12時より発売です。

 

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