“LABYRINTHE” — CLASS 26SS
501の話が、なぜ噛み合わないのか?
より確かなものへ —— i’m here 26SS
cantáteの新章が、静かに始まります。
後悔する前に。
こんにちは。
clichéの石橋です。
ここ数日で各ブランドから続々と入荷があり、
26SSが本格的に動き出しました。
店頭のラインナップもがらりと入れ替わり、
空気まで少し変わったような気がします。
ただ、先週は展示会と重なり、何かと慌ただしく。
撮影やオンライン掲載がまだ追いついていません。
楽しみにしてくださっている方、もう少しだけお待ちください。
待ちきれない方は、ぜひ店頭へ。
今の空気は、実際に見ていただくのがいちばん早いと思います。
今週からはブログでも順にご紹介していきますが、
その先陣を切るのが CLASS です。


深く考えずに着て、「いいじゃん」と思えたらそれで十分。
きっとそれも正解です。
でも、CLASSの服に関しては、
できればテーマを通して一度立ち止まってみてほしい。
ただ着るだけじゃなく、
少し遠回りして、考えて、また戻ってくる。
その時間ごと楽しめるブランドだと思っています。
ということで、まずは今季のテーマから。
CLASS 26SS のテーマは “LABYRINTHE”。
フランス語で「迷宮」「迷路」という意味の言葉です。
今回のコレクションを読み解くうえで、
鍵になっているのが3人の表現者。
・永井荷風
文章なのに、情景が浮かぶ。
読んでいるはずなのに、観ている感覚になる。
・Agnès Varda
動いているのに、どこか止まっているように見える映像。
・Leos Carax
断片を繋ぎ合わせて、一つの物語を立ち上げる構成。
共通しているのは、
一見すると矛盾しているのに、きちんと成立している表現。
動と静。
断片と全体。
理性と感情。
相反するものが、ぶつかるのではなく、
共存している。
その逆説的な構造が、
今季のCLASSの服にもそのまま落とし込まれています。
もう少し噛み砕くと、
好きなものを繋ぎ合わせること。
型にきっちりはめないこと。
ある意味、
個人的な日記のようなコレクションです。
整いすぎていない。
でも、だからこそリアル。
正直に言えば、
聞き慣れない名前や言葉が並ぶと、少し構えてしまいます。
僕も最初は「迷宮って…?」と立ち止まりました。笑
でも、わからないまま少し考えてみる。
その時間こそが、このテーマの入り口なのかもしれません。
とはいえ、
テーマに縛られすぎるのも違う。
最後は、目で見て、袖を通して、
「なんかいいな」と思えるかどうか。
迷ってもいいし、迷わなくてもいい。
LABYRINTHEは、
そういう余白を許してくれるコレクションだと思います。





<CLASS>
”CCGS05UNI B LAOSILK HAND EMBROIDERY JACKET”
COL : WHITE×BLACK
SIZE : 2
¥311,300 TAX IN
CLASSではお馴染み、DORMEUIL社のリネンウール地を使用したジャケット。
清涼感のあるリネンと、上品な落ち感を持つウール。
その両方を併せ持った生地は、軽やかでありながらどこか芯がある。
春夏らしさとテーラリングの品を、無理なく同居させています。
幅広めのラペルに、長めに設定された着丈と袖丈。
大きく奇をてらっているわけではないのに、
どこか「普通じゃない」と感じるのは、その寸法のバランス。
ほんの少しの違和感が、
全体の空気をじわっと変えていく。
CLASSらしい、静かなズレが健在です。
そして袖口に目をやると、
唐突とも思える刺繍。
ラオスで受け継がれてきた伝統的なシルク生地に、
熟練の職人が一点一点、手作業で刺繍を施した工芸品。
時間の積み重ねでしか生まれない密度が、
テーラードジャケットの袖に縫い付けられている。
DORMEUILのクラシックなテーラリングと、
ラオスの伝統工芸。
文脈も、文化も、本来は交わらないはずのもの。
それを躊躇なく並べ、縫い合わせ、
一つの服として成立させてしまう。
まさに今季のテーマ “LABYRINTHE” を体現した一着です。
整合性よりも、感覚。
説明よりも、衝動。
好きなものを繋ぎ合わせた結果、
なぜかちゃんと成立している。
CLASSの服は、
そういう“矛盾の心地よさ”を楽しむためのジャケットだと思います。




<CLASS>
”CCGS09UNI C DORMEUIL LINEN WOOL PANTS”
COL : WHITE×BLACK
SIZE : 2
¥103,400 TAX IN
ジャケットと共地のパンツもございます。
一見すると、何かをレイヤードしているような佇まい。
パンツの上からスカートを重ねているようにも見えるこのデザインは、
実際にパンツとスカートの要素をドッキングさせた構造。
布が重なっているようでいて、実は一体。
視覚だけが二層に見える、不思議なバランスです。
数シーズン前に展開していた“フンドシ”を思い出す方もいるかもしれません。
あのときはフンドシとパンツが別々でしたが、
今回はその二つが、はじめからひとつの形として成立している。
懐かしさと新しさが同時に立ち上がる一本です。
とはいえ、あくまで一本のパンツ。
スカートを穿く、フンドシを巻く、
そういった行為に比べればずっと自然。
いつものトップスに合わせるだけで、
スタイリングに静かな違和感が生まれる。
構造は大胆でも、着るハードルは低い。
この“見た目と体感のギャップ”こそ、
今季のCLASSを象徴しているように思います。




<CLASS>
”CCGS14UNI A LAMBSKIN MAIL PANTS”
COL : BLACK
SIZE : 2
¥327,800 TAX IN




<CLASS>
”CCGS14UNI B LAMBSKIN MAIL PANTS”
COL : BEIGE×BLACK
SIZE : 3
¥327,800 TAX IN
1stデリバリーの最後は、ラムレザーショーツ。
CLASSでは時折見かける、前後で丈に差をつけたシルエット。
フロントはややすっきり、バックはほんの少し長く。
歩いたときの揺れや重心のズレが、静かな違和感を生み出します。
カラーはBLACKとBEIGE × BLACKの2色。
BEIGEはヒップ部分でカラーを切り替えた仕様。
視覚的なコントラストをつくりながら、
実用的にも汚れやすい部分を自然にカバーする設計です。
デザインと機能が、さりげなく同居している。
そして目を引くのが、太もも部分に配された“封筒”のようなディテール。
ただの装飾、と言ってしまえばそれまで。
でも今季のテーマ「LABYRINTHE」を通して見ると、
断片を差し込むようなその構造に、意味を探したくなる。
LEOS CARAXが断片を繋ぎ合わせて映像を編むように、
異質な要素をひとつの服の中で共存させる。
そう考えると、このショーツもまた“迷宮”の一部なのかもしれません。
一見、ファッションと直接結びつかないテーマ。
けれど堀切さんの話を聞きながら眺めていると、
少しずつ線が繋がっていくあの感覚。
テーマを通して服を見ることで、
同じ一着がまったく違う表情を見せる瞬間がある。
それはCLASSならではの体験だと思います。
自分なりの解釈を見つけられたとき、
その服は単なる衣服を超えて、所有者だけの意味を持つ。
型にハマらず、好きなものを繋ぎ合わせる。
違和感を恐れず、むしろそこに価値を見出す。
ルールなんてない、と静かに教えてくれるコレクション。
CLASSの洋服は、
いつだって“考える楽しさ”を思い出させてくれるんです。
cliché 石橋