着なかった黒を、着てみたくなった。
以前のブログで、「なぜかあまり着ない色」についてお話ししたことがあります。僕にとって、それは黒でした。
黒が嫌いなわけではありません。むしろ格好いいと思うことも多いのですが、いざ自分が着るとなると、どうしても別の色に手が伸びてしまう。そんな色だったんです。
あれから季節も変わり、気がつけば冬もすぐそこ。店内に並ぶcantáteの洋服を眺めながら、自分だったら何をどう組み合わせるだろう。そして、普段あまり着ない黒をどう取り入れようか。そんなことを考えていました。
こんにちは。clichéの冨岡です。
前回は、黒を着るならいっそ全身を黒でまとめて、セットアップのように着るのもいいのではないか、というお話をしました。もちろん、今でもその考えは変わりません。
ブラックならブラック、ネイビーならネイビー。色を統一して、濃淡や素材の違いで奥行きをつくる着こなしは、やっぱり格好いいと思います。ただ、今回はもう少し違う方向から考えてみたくなりました。
黒を中心にしながら、あえて違う色を合わせてみる。
黒の落ち着いた雰囲気はそのままに、もう少し軽さや遊びを加えられないだろうか。そんなことを考えていたとき、目に留まったのが、Denim Flare Trousers - CRASH & REPAIR〈SHADOW INDIGO〉でした。

CREDIT
cantáte "Denim Flare Trousers - CRASH & REPAIR"
このデニム、遠目には淡いインディゴに見えるのですが、近くで見ると実にいろいろな色が混ざっています。長い時間をかけて穿き込まれたような色落ち。濃いインディゴが残る部分もあれば、白っぽく抜けた部分もある。さらに、加工やリペアによって生まれた表情が重なっています。

単に色の薄いデニムというより、一本の中にいくつもの濃淡があるような感覚です。
これを黒と合わせたら、きっと面白い。

黒が持つ引き締まった印象と、デニムの少し力の抜けた雰囲気。対照的なもの同士ですが、だからこそ、お互いの良さが見えてくる気がしたんです。

実際に店頭でも、お客様から「このデニム、黒と合わせると良さそうだね」とお話しいただくことがあります。自分が考えていたことと、お客様の感覚が重なる瞬間は、やっぱり嬉しいものですね。
今回は、このデニムを軸に、僕なりに考えた5つのスタイリングをご紹介したいと思います。黒との組み合わせを中心に、少しずつ雰囲気を変えてみました。
Quiet Season Hand-Knit Zip Jacket × Quiet Season Crew-Knit

CREDIT
cantáte "Quiet Season Hand-Knit Zip Jacket"
cantáte "Quiet Season Crew-Knit"
同じ黒でも、編み方が違えば、見え方はずいぶん変わります。

ざっくりとした編み地が特徴のQuiet Season Hand-Knit Zip Jacketに、Quiet Season Crew-Knitを合わせました。カウチンのようなボリュームのあるニットに、すっきりとしたクルーネック。どちらもニットですが、表面の凹凸や編み地の密度が異なるため、重ねたときに自然な立体感が生まれます。
こういう組み合わせは、色数を抑えているからこそ面白いのだと思います。さらに、ボトムスには淡いインディゴのデニム。上半身に重さを持たせながら、下半身には少し軽さを出す。 このバランスが気に入っています。

CREDIT
AVM "Parallel Ring 〈K10WG× SV950〉"
AVM "Angel Ring 〈SV950 × K18〉"
先週あたりから気温も下がり、朝晩は上着が欲しくなる日も増えてきました。そんな時期に、カウチンのようなしっかりとしたニットが一枚あると頼もしいですね。
首元まで暖かく、ジップの開け方ひとつで印象も変わります。前を閉じてニットそのもののボリュームを楽しんでもいいですし、少し開けてインナーとの重なりを見せるのもいい。

ニットをアウターとして着る。 冬の始まりには、そんな選択肢もいいのではないでしょうか。
Furry Cashmere Cardigan × Lazy Luxe Rayon Shirt – Rayon Plaid

CREDIT
cantáte "Furry Cashmere Cardigan"
cantáte "Lazy Luxe Rayon Shirt – Rayon Plaid"
cantáte "Essential L/S Tee"
先ほどのスタイリングが黒の重なりを楽しむものだとすれば、こちらはシャツの柄をアクセントにした組み合わせです。

Lazy Luxe Rayon Shirtのチェック柄に、Furry Cashmere Cardiganを羽織っています。レーヨン特有のとろみと落ち感。そこに、カシミヤの柔らかな毛足が重なる。シャツの滑らかな質感と、カーディガンのふんわりとした質感。この違いが、個人的にはとても好きです。
さらに、ボトムスには加工の入ったデニムを合わせました。デニムというと、どうしても無骨な印象が先に浮かびますが、こうした柔らかな素材と組み合わせると、また違った表情を見せてくれます。カーディガンの優しい雰囲気が加わることで、デニムの加工感も少し穏やかに見える気がします。

CREDIT
AVM "Hunter Ring 〈K10WG × K18YG〉"
そして今回、撮影をしながら改めて感じたのが、カーディガンの使い勝手の良さです。
普通に袖を通して着るのはもちろん、肩に掛けたり、袖を前で軽く結んでみたり。同じアイテムでも、着方を少し変えるだけで雰囲気が変わります。特に、室内と屋外を行き来することが多いこれからの季節には、こういう一枚があると助かりますね。

防寒着としてだけではなく、着こなしに少し変化をつけるための一枚。 カーディガンには、そんな楽しみ方もあると思います。
Essential Sweat Pullover × Horsehide Down Insulator Vest

CREDIT
cantáte "Essential Sweat Pullover"
cantáte "Horsehide Down Insulator Vest"
こちらは、少しカジュアルな組み合わせです。

Essential Sweat Pulloverに、Horsehide Down Insulator Vestを重ねました。どちらも黒ですが、この二つは素材の性格がまったく違います。
ホースハイドの艶やかな表情に対して、コットンのスウェットはマットで、どこか素朴な雰囲気。同じ黒でも、光を受けたときの見え方が違うんです。
レザーの存在感をスウェットが程よく和らげてくれるので、気負わず着られる組み合わせになったと思います。そこにCRASH & REPAIRのデニムを合わせると、少しラフで、でもどこか品のある雰囲気に。個人的には、このくらい肩の力が抜けたスタイリングも好きですね。

以前、ダウンベストをご紹介したブログでは、ジャケットの上から羽織ったり、プルオーバーと組み合わせたりと、いくつかの着こなしをご紹介しました。
今回も改めて感じましたが、やっぱりダウンベストは便利です。袖がないので腕まわりが動かしやすく、車に乗ることが多い方にも取り入れやすいと思います。
寒いからといって、何枚も重ねればいいというわけでもありません。動きやすさを残しながら、必要なところを暖かくする。

暖かいのに、身軽でいられる。 そんなところも、ダウンベストの魅力だと思います。
Horsehide Coach Jacket

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cantáte "Horsehide Coach Jacket"
おかげさまで、サイズによって欠品も出始めているHorsehide Coach Jacket。僕自身、このジャケットと今回のデニムの組み合わせは、かなり気に入っています。

まず目を引くのが、ホースハイドならではの艶。そして、前身頃と後ろ身頃をそれぞれ一枚の革で構成した贅沢なつくりです。大きな革を使うことで、余計な切り替えが入らず、身体に沿って落ちるシルエットがとても綺麗なんです。
コーチジャケットというと、比較的カジュアルな印象を持たれる方も多いと思います。ですが、このジャケットは革の質感や落ち感によって、どこか上品な雰囲気があります。

そこに、色落ちやリペアの跡が残るデニムを合わせる。綺麗なレザーに、穿き込まれたようなデニム。
少し不揃いなくらいの組み合わせが、かえって格好よく感じられました。
インナーはシンプルなニットでもいいですし、スウェットを合わせてカジュアルに着るのもいい。シャツを合わせれば、また違った印象になると思います。

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AVM "Angel Ring 〈K10WG× K18YG〉"
レザージャケットは、合わせるものによって表情が大きく変わるアイテムです。だからこそ、長く付き合いながら、自分なりの着方を見つけていく楽しさがあるのではないでしょうか。
サイズによって欠品も出始めておりますので、気になっている方は、ぜひ店頭で袖を通してみてください。
Shear Naval Coat

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cantáte "Shear Naval Coat"
冬らしいコートスタイルも考えてみました。
Pコートと聞くと、学生時代の制服や、少し若い印象を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、cantáteのShear Naval Coatは、そんな印象を改めてくれる一着だと思います。
まず、目に入るのは生地の存在感。しっかりとしたメルトンの表情に、落ち着いた光沢があり、黒という色に奥行きを感じます。

そして、このコートは見えにくい部分にも工夫があります。襟裏やエルボーパッチにはレザーを使用し、ウォームポケットの内側にはコーデュロイ。どれも大きく主張するディテールではありませんが、実際に触れたり、着たりしたときに、その違いを感じていただけると思います。
フロントのボタンの配置や間隔にもこだわりがあり、留め方によってコートの見え方が変わるところも面白いですね。
こういう部分は、写真だけではなかなか伝わりません。実際に袖を通して、鏡の前でボタンを留めたり外したりしてみると、きっと感じていただけるものがあると思います。

そして、今回合わせたのは、やはりCRASH & REPAIRのデニム。端正なPコートに、色落ちしたデニム。この組み合わせが、とても良かったんです。
コートだけを見ると、少しきちんとした印象がありますが、デニムを合わせることで自然と力が抜ける。その一方で、コートの持つ上品さが、デニムのラフな表情を程よく引き締めてくれます。

CREDIT
綺麗なものと、少し荒々しいもの。 その両方を一緒に着られるのも、洋服の面白いところですね。
これから冬が深まっていくにつれて、コートを着る機会も増えてくると思います。今年はこんなふうに、少し表情のあるデニムと合わせて楽しんでみたいです。
こうして振り返ってみると、どれも黒を中心にした組み合わせですが、意外と雰囲気が違うものですね。
ニットを重ねるのもいいですし、レザーで少し引き締めるのもいい。カシミヤの柔らかさを楽しんだり、コートで綺麗にまとめたり。そして、どのスタイリングにも共通しているのが、Denim Flare Trousers - CRASH & REPAIRを合わせていることです。
今回、改めて感じたのは、黒をどう着るか考えていたはずが、いつの間にかデニムの合わせ方を考えることも楽しくなっていたということでした。
以前は、あまり自分から選ぶことのなかった黒。でも、合わせるものを変えてみると、こんなにも違った印象になるんですね。
黒そのものが変わったわけではありません。きっと、僕自身の黒に対する見方が少し変わったのだと思います。
普段あまり着ない色だからこそ、これまで思いつかなかった組み合わせに出会えるのかもしれません。そう考えると、洋服ってやっぱり面白いですね。
今回ご紹介したデニムも、写真では色の濃淡や加工の細かな表情が伝わりきらない部分があります。ぜひ店頭で、実物を見ていただけたら嬉しいです。
最近は、お客様から「ブログを見たよ」と声を掛けていただくことも増えました。自分が考えたことや、着てみて感じたことが、誰かの洋服選びの参考になっていると思うと、とても励みになります。
こんな組み合わせを見てみたい、あのアイテムをどう着たらいいのか知りたい。そんなご意見も、ぜひ聞かせてください。僕自身も、まだまだ試してみたい組み合わせがたくさんあります。
今年の冬は、これまであまり着てこなかった黒を、もう少し楽しんでみようと思います。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
cliché 冨岡
