また履いてしまっている。
出会いは去年の暮れ。
写真を見てかっこいい、
存在は知っていたものの、その絵力に抗体がない僕は、ずっと手を出せずにいた。
値段もかっこいいし、憧れとしての位置付け。
11inchと高めのボディ、高すぎる。
友人の家に遊びに行って、玄関に脱いであるのを想像してしまうと、おっ、ってなる。
でもこれくらい長いのがブーツだよな。と言い聞かせて、
履いてみた。
逆に今まで履いてたのはなんだったのか、と思うくらい感動した。
リオスじゃない何かとリオスで無意識に比較した。
リオスのハイトの低さに、同時に履き心地の違いに驚いた。
イケイケの刺繍も象徴的である。
チラッと見えた時やばいじゃん、って思っていたけど今はそれがかっこいい。
なんなら出かける時に急いで履いて、狙ってないけど片っぽがブーツインっぽくなっていてもそのまま見せびらかしている自分がいる。
というかもう、パンツと合わせたサマを見ると、かっこよすぎて正直そんなことはどうでもいい。
ウエスタンブーツっていうのも、考えすぎちゃダメだ。
色々な洋服に合わせてみてそう思う。
ただただかっこいいから。
そんな安直な理由さえも許される。
そんなこんなで、また履いてしまっている。
こんにちは。
clichéの木下です。
今日はリオスのウエスタンブーツについて。
前職の時、というか松島さんと出会ったその日から勧められていました。
イベント毎に、まじでいいから買いなよ。
念仏のように唱えられていたけれど、内心ヤクザかよ、、って思いながら、うまーい具合にかわしていたのを覚えています。
そっからついこの前までは、足入れすらしていません、買っちゃいそうで怖いから。
僕はスニーカーも履くし、革靴も履く。
スケートをやっていた名残か、ボロ靴をあえて合わせたい時もある。
ただ、いくらいい服で着飾っていても、靴が全てを台無しにする時もある。
せっかくのシーンが台無しだ。
そんな時もある。
最終的に決め手となった理由はたくさんあるけれど、
着ないとはいえ、ウエスタンのエッセンス自体は好きでした。
古着で買ったそんな感じの洋服も家には何着かあります。
ハタから見ていてかっこいいなあなんて思いつつ、
前述している先入観が、手を出させなかったんです。
今ではこのブーツに出会えたことに感謝しています。
"Rios Of Mercedes"
-Harness Latigo Cowboy Roper Style-
¥200,000 (¥220,000 TAX IN)
というわけで、今は2足目を迎えています。
1953年創業のカスタムブーツメーカー "Rios of Mercedes(リオスオブメルセデス)"。
テキサス州メルセデスに工場を持ち、昔ながらの製法を守り続けることで最高品質のブーツを製作しています。
ウエスタンブーツのブランドは他にもあるが、"当時のまま"そこがリオスの良いところ。
僕が履いているファーストリオスは、このWicket &Craig社の馬具に用いられているレザーを使用したRoperタイプ。
ベジタブルタンニン鞣しをした牛革にオイルなど油脂を加えたレザー。
初めは固く、足入れもし辛く感じますが、人間の持つ温度"人肌"で暖まり、履いていくと馴染んでくるので、革の経年変化を存分に感じていただける仕上がりです。
ランニングシューズなどに用いられるEVAソールを使用した見え方も重厚で良い。
めっちゃ歩きやすいし、もはや走れる。
見た目からは想像できないですが、本当にスニーカーに匹敵するほどに歩き易い。
僕は足の形が不細工なので、なかなか合う靴がないけれど、このブーツはワイズも程よくゆとりがあって、ホールド力も抜群。
また、このブーツにはコルクが入っておらず、代わりに布が入っているんだとか。
その分蒸れず、ソールの返りがよく歩きやすいのも頷ける仕上がりです。
考えてみれば、馬に乗ったりもするわけだし動きにくいわけがない。
けどここまで動きやすいとは思いませんでした。
履き始めて半年くらい。
甲の中心に入っているオイルがどんどん馴染んでくる様子も毎日履いていると手に取るようにわかり、馴染んで甲が下がりシャフトも伴って少し低くなります。
始めは細くなっている全体のフォルムが、少し潰れていくようなイメージ。
横に広がっていき、それに伴ってシワが入る。そしてつま先が反り上がってきて、より歩きやすくなってきています。
ボリューム感も程よく、丸みのあるリオス独特のスプリングトゥが、いつも穿いているワイドパンツにも相性抜群です。
"Harness Latigo Cowboy Cowboy Style"
¥200,000 (¥220,000 TAX IN)
先程のRoperとのモデル違いになる先がやや尖ったモデル。
ソールには極厚なレザーソールを採用。
レザーソールにのみ、土踏まずには"ペグ"という木の釘が並んでいます。インソールとアウトソールを留めるためのものなのですが、今は鉄の釘がほとんど。鉄は錆びるので革をダメにしてしまうなどデメリットがつきものだそうです。
その為リオスをはじめとする最高級の紳士靴は、今でもウッドペグを使用しています。
これもまた、"当時のまま"。
クレープソールのタイプとはボリューム感も異なるので、好みで選んでいただければと思います。
Roper Styleは、ボリュームがあって男らしい印象。
Cowboy Styleは、少し華奢で上品さを足したような見え方に。
¥200,000 (¥220,000 TAX IN)
お次は僕も欲しいこちら。
コードバンやクロムエクセルで有名な、HORWEEN社のレザーを使用。
まずこのTANカラーが目を惹く、デニムに合わせたい一足なのですが、
メジャーリーガーが実際に使用するグローブのレザーを用いた希少なモデルで、使い始めから柔らかく、たっぷりと入ったオイルが馴染み、経年変化も肌で感じていただけます。
シャフトにはスウェードを合わせ、同色ながらも男心をくすぐるコントラストが豊かな仕上がり。さりげなさが良いです。
部分的に色の変化やシワの入り方にも差が出て、スウェード面においては毛足が出てくるのも楽しみ。
また、2つ目にご紹介したモデルもそうですが、尖ったトゥでは世界初のダブルウェルト仕上げに。
本来のシングルに比べてボリューム感も出るので、
とんがり靴=お兄
と思い込んでいた僕も、普通に履いてしまうほどに合わせやすくなっています。
淡いデニムに合わせたいですね。
ウエスタンブーツは元々、馬に乗る為、カウボーイの為に作られたブーツ。
足に合っていなければ落馬の際の生死も関わると言われています。
馬に乗った時に素早くあぶみ(足をかける馬具)を探すための尖ったトゥ。
足の防御のための高いシャフト。
当時の生活をしていく上で適応し、自然に完成していったもの。
僕も調べただけなので、まだまだ色々な理由があるんだろうけど、
甲のステッチやシャフトのド派手な刺繍も、シャフトが倒れないようにするためと、所属を表すもの、チームカラーのような位置付けと言います。
ただそんな中で、いかにイケているか、というのもかなり重要だったことでしょう。今僕らが毎日感じている洋服を着た時のモチベーションのようなものです。
ウエスタンブーツはカウボーイの世界では正装用のブーツなので、
僕らからしたら派手だなあ、なんて考えがちですが、、
メンズでは、”ウエスタンのみ装飾が許される”と松島さんがサラッと言ってました。
どうやら、装飾されていることに理由の裏付けがあるのがウエスタン。それ以外の装飾は単に装飾でしかないとのこと。
とはいっても今ではそこまで深く考える必要もないので、オーダーするとしたら色味や刺繍、高さなども好き放題選べます。
リオスは全てカスタムオーダーなので、カタログなどから選べるわけでもなく、本モデルはclichéのみでのお取り扱いになります。
履きたい人は履けば良いし、いいやって方は履かなくてもいいと思います。
でも求める方には必ず応えてくれる。
知らない方がもったいない。
現代の手法を用いることなく当時の手法をそのままに。そんなロマンが詰まったRios of Mercedesのウエスタンブーツ。
どこかミリタリーともまた、通づる点があるように感じます。
ガチガチのアメカジにも。
それだけの思考でしたが、履きやすさのあまりいろんなスタイリングに履いていたらそんなスタイリングが今ではお気に入り。
どんな風に合わせてもいい。
かっこいいから。
それだけの理由でも、心を突き動かす力のあるブーツだと思います。
そんなこんなで、今日もまた履いています。
cliché 木下