時間が滲む服。
フォレスティエールという小さな風景
形が語ること。
革が、服になる瞬間。
”理由”と”直感”。
こんにちは。
clichéの石橋です。
古着やヴィンテージなど、古いものに価値が見出される時代。
でも、ヴィンテージ的な“希少性”とは別に、
古いものそのものが持つ雰囲気って、どうしようもなく惹かれませんか。
それはきっと、当時の空気や、
何十年という時間を通ってきた“歴史の温度”が染み込んでいるから。
例えば、おじいちゃんやお父さんが何気なく持っていた服の中に、
なぜか雰囲気のいい一着を見つけて、お下がりでもらったり。
お下がりの話でいえば、
僕は父との身長差が20cmもあるので、
大人になってからは服を借りることも、もらうこともありませんでした。
それもあってか、
誰かの服を受け継ぐという行為に、ずっと小さな憧れがあった。
そして、僕がこのコートに惹かれた理由も、
きっとその延長線にあるのかもしれません。




<i’m here>
COL : BROWN, GRAY
SIZE : M, L
¥110,000- TAX IN
デザイナー・島瀬さんが、
テーラーメイドの祖父が仕立てたコートを譲り受け、
現代の洋服として再構築した “GRANDPA COAT”。
襟の形や裏側の仕様など、細部に至るまで忠実に再現しながら、
i’m hereが得意とするパターンワークで立体感のある柔らかなボリュームを纏わせています。
広く取られた身幅、程よく落ちた肩がリラックスした印象を与えつつ、
ブランドらしい細かなデザインが、確かな現代性を添えている。
カラーは BROWNヘリンボーン と GRAYストライプ の2色展開。
一見ウール地のように見えますが、
実は ポリエステル100%のウールライク素材。
ウールのような温かみを感じさせる風合いと、
軽快な着心地・イージーケア性 を併せ持っています。
季節感のある雰囲気を保ちながら、
現代の気候に寄り添い、長く着られる理にかなった選択。


チンストラップは、上衿と同じ形状のパターンで作られており、
襟を倒した時にも干渉せず、きれいに隠れる仕様。
こういうちょっとした気遣いや、
“あったら少しうれしい”ディテールが自然にデザインへ落とし込まれているところも、
僕がi’m hereを好きな理由のひとつです。
祖父から孫へと受け継がれ、
それぞれの時間が刻まれた、
“時間”というコンセプトを体現する、i’m hereを象徴する一着。
歴史や背景を持つものをベースにした服は、やっぱり魅力的ですね。
そして、また別の“歴史”と“背景”を持ったコートがもう一着…。


<i’m here>
COL : KHAKI
SIZE : M, L
¥90,200- TAX IN
ジャングルファティーグとM-65という、
60年代に生まれ長い歴史を持つアイテムをベースに、
ブランド独自のディテールやアレンジを加えて生まれた一着。
フロントの4ポケットや、コットン/ナイロンのリップストップ生地、
二重の前立てなど、当時のディテールをしっかりと融合させながら、
ブランド独自のデザインやシルエットによって、現代的な空気感を纏っています。


たっぷりと取られた身幅によって生まれる、
縦に落ちるリラックスしたシルエット。
レザーのウエストベルトを絞れば、
シルエットを大きく変化させることができ、よりすっきりとした印象に。
ミリタリー × レザー の組み合わせは、やっぱり無条件に惹かれます。
ミリタリーの無骨さに、レザーの静かな存在感と品が加わることで、
なんとも言えない良い雰囲気になるんですよね。



なんといっても特徴的なのは、フード型ストール。
フードのように被ったり、ストールのように巻いたりと、
さまざまな表情を見せてくれます。
さらに、ボタンで取り外せばノーカラーコートのようにもなるので、
首元をすっきりさせたい時や、タートル・パーカーを合わせたい時にも便利です。
ボタンで着脱可能なフードという点も、
M-65のディテールを彷彿とさせる要素。
当時の背景を感じさせながら、
ブランドを象徴するデザインへと昇華させる。
まさに I’m here らしいアプローチ です。




CREDIT
cantáte ”Stupid Shaggy Cardigan”
i'm here ”ONE TUCK VENETIAN PANTS”




CREDIT
m's braque ”GATHERED WAIST PANTS”




CREDIT
cantáte ”Turtle Neck L/S Shirt”
人から人へと受け継がれてきた背景を感じる “GRANDPA COAT” と、
長い歴史を持ち、当時の空気感が伝わってくる “HAOLI MILITARY COAT”。
それぞれ違ったベクトルですが、
時間の奥行きが加わることで、デザイン以上の魅力を纏う。
やっぱり、
時間というものが、洋服をいちばん魅力的にするんですね。
cliché 石橋