違和感は、やがて当たり前になる。
「縮みません」を、信用しなかった理由。
僕の”Essentials”。
スーツは誰のために着るのか。
どこかへ行きたくなる服。
こんにちは。
clichéの石橋です。
BLESSの定番。
シーズンを問わず、スタンダードとして送り出される洋服たち。
ぱっと見はやっぱり少しヘンテコで、
いわゆる「わかりやすく格好が良い服」からは、少し外れているようにも見える。
でも、それこそがBLESSらしさであり、
定番として提案され続けるだけの説得力がある。
それが必ずしもポジティブな印象じゃなくてもいい。
「なんだこれ?」と立ち止まってしまった方。
その違和感こそが入口です。
マイナスからのスタートは、
気づけば大きな魅力に変わっていく。
とはいえ、clichéでも何度も提案してきたこともあってか、
少しずつ浸透してきているような気もします。
「すごい服ですね…。笑」
と戸惑い混じりに言われることが多かったこのアイテムも、
最近では
「めっちゃ可愛いですね!」
と言われることの方が増えてきました。



<BLESS>
COL : BLACK
SIZE : OS
¥214,500 TAX IN
ベースとなっているのは、1993年の映画「幸福の条件」で、
デミ・ムーアが着用していた、ベストのようなバッグのような謎の服。
そこから派生して生まれた、
ジャケットを上下で分けたユニークな構造。
ボディにはUSEDのジャケットを使用しているため、
素材もサイズ感もすべてバラバラ。
実際に届くまで、僕たち自身もどんなものが来るのかわからない。
毎回ミステリーボックスを開けるような感覚です。
展示会で見たサンプルもそうでしたし、
これまでの傾向からも、なんとなくオーバーサイズを想像していました。
でも今回届いたのは、クラシックフィット。
見事に予想は裏切られましたが、
このサイズ感とユニークなデザインのギャップがすごくいい。
むしろ、このバランスだからこそ新鮮に見えるし、
意外とこのサイズ感では見かけない。
もしかすると、こういう個体の方がレアなのかもしれません。


ベストだけで。

超短丈ジャケットとして。

バッグとして。
ベスト単体で見れば、ニットやシャツの上からはもちろん、
コートの上からだって羽織れる自由度の高さ。
上のパーツだけでも、超ショート丈のジャケットとして成立する。
その絶妙なバランスがたまらない。
さらにベスト部分は、斜めがけしてバッグとして持つこともできる。
ここまで振り幅のある着方ができる服は、そう多くないと思います。
そしてここからは、あくまで推測ですが、
このジャケット、第一ボタンと第二ボタンの間隔が不自然なほど広い。
通常、フロントボタンの間隔はある程度決まっているもの。
単純に一着を上下でセパレートしただけでは、
このバランスは生まれない気がする。
もしかすると、同ブランド・同型のジャケットを2着使い、
上用と下用で構成しているのではないか——そんな想像もしてしまいます。
実際のところはわかりませんし、
それが正解かどうかは重要ではない。
ただ、そうやって背景を想像したくなる。
その余白こそが、この服の魅力のひとつです。



CREDIT
cantáte ”Essential Sweat Wide Pants”
EYEVAN7285 ”374【148-GM MD.BK】”



<BLESS>
COL : BLACK
SIZE : M
¥118,800 TAX IN
さて、次も生地を変えながら定番として展開されている
“Ultrawidepleated”。
今回は、チャコールグレーに近いブラック。
その中にぼんやりと浮かぶチェックが、落ち着いた空気をつくっています。
先ほどとは打って変わって、
一見するとシンプルにイケてるワイドスラックス。
ただ、この“シンプルにイケてる”中にも、
しっかりとBLESSらしさが潜んでいる。
その名の通り、ウルトラワイドな大胆シルエット。
たっぷりと取られたワタリに、ヒップをぐっと収めるような3タック。
まるで、ウエストの大きなパンツを
タックで無理やり詰めて穿いているような、
そんなストーリーすら感じさせるディテールです。
太いスラックスなら、世の中にいくらでもある。
でもこのパンツは、ただ太いだけじゃない。
ブランドならではの発想でパンツを組み立てた結果、
気づけば“シンプルにイケてるワイドスラックス”になっていた。
そんな一本です。




CREDIT
ROTOL ”Soft Waffle Zip Hoodie”
EYEVAN7285 ”374【420-GM MD.GRY】”
一見ヘンテコ。でも、違和感ごと引き込まれていくジャケット。
一見シンプル。でも、ヘンテコなディテールで成り立つパンツ。
どちらも定番。
BLESSのスタンダード。
初めて見たときに、「なんだこれ?」と思うのか、
それとも「なんかめっちゃイケてるな」と感じるのか。
入口は人それぞれでも、
向き合うほどに見え方は変わっていく。
知れば知るほど惹かれていき、
気づけば自分の中で当たり前の存在になっている。
BLESSの服には、そういう力があるんです。
cliché 石橋