「もう、この2つがあれば。」
AWが始まってから、早くも2ヶ月。
毎年毎年、欲しい服は変わります。
去年欲しかったものに今年はあまり惹かれなかったり、今まで気にも留めていなかったものが、急に欲しくなったり。服を着続けていると、好みは少しずつ変わっていくものだと思います。
でも、その中には何年経っても変わらず好きなものもある。
「そういえば、これずっと買い続けてるな。」
そんなものが、皆さんにも一つくらいあるのではないでしょうか。
僕の場合、そういうものに限って肌に直接触れるアイテムが多い気がします。
ソックスだったり、Tシャツだったり。
着こなしの主役になるような派手さはない。でも、なくなると困るし、結局また同じものを選んでいる。
派手さはないけれど、なくてはならないもの。
こんにちは。
clichéの冨岡です。
ブログを書くようになってから、洋服についてだけではなく、自分自身のことも少し考えるようになりました。
「自分だったらどう着るだろう。」
「僕は、この服の何が好きなんだろう。」
そんなことを考えながら今回の商品を見ていた時、ふと気付いたんです。
僕にも、ずっと変わらず選び続けているものがある。
今回は、そんな僕にとっての「なくてはならないもの」について書いてみようと思います。

以前、Essential S/S Teeについて書いたブログで、
「もうこれがあれば、他のTシャツはいらない。」と一言。
すみません。少しだけ訂正させてください。笑
あの時は、本当にそう思っていました。
でも、シーズンが進んで秋冬の洋服が少しずつ揃ってくると、どうやら話が変わってきました。
半袖だけでは、一年を過ごせない。
当たり前の話です。
そして今回、Essential S/S Teeと同じ考え方から作られた長袖のTシャツが届きます。
半袖と長袖。
この2つが揃って、ようやくあの言葉が完成する気がしています。
なので、今あらためて言い直すなら、
「もう、この2つがあれば他のTシャツはいらない。」
なのかもしれません。



<cantáte>
" Essential L/S Tee "
¥33,000 TAX IN
今回ご紹介するのは、Essential L/S Tee。
Essential S/S Teeを着たことがある方なら、その延長線上にある一枚と考えていただくと分かりやすいかもしれません。
ただ、もちろん単純に袖を長くしただけではありません。
長袖として一枚で着ること。シャツやジャケットの中に着ること。寒くなれば、ニットやアウターの下に重ねること。
半袖とは使われ方が少しずつ変わります。
だからこそ、長袖として気持ちよく着るための工夫が、細かな部分にまで詰め込まれています。

素材には、Essential S/S Teeと同じスビンゴールドを使用しています。
ただ、スビンコットンなら何でもいいわけではありません。栽培区画を限定し、その中でも最初に摘み取られた特別なものだけを使用しています。
それを36ゲージという非常に高密度な編み地にすることで生まれるのが、しっとりとした滑らかさと、適度なハリ。
肌に触れた時は驚くほど滑らかなのに、一枚で着ても頼りなく見えない。
Essential S/S Teeを初めて着た時に感じた、「気持ちいいのに、ちゃんとしている。」
あの感覚は、長袖になってもしっかり残っています。

もちろん、こうやって素材や編み方について説明することはできます。
でも、このTシャツについて一番伝えたいことは、そこではないのかもしれません。
松島さんは、今でも接客をしている時や、僕にこのTシャツのことを説明する時に必ずと言っていいほど同じ話をします。
「一番伝えたいのは、スペックではなく、袖を通した瞬間の感覚。」
そして、
「初めて着た時は、気持ち良すぎて思わず声が出た。」
発売してから時間が経った今でも、変わらずそう話しています。
それくらい、この着心地については本気なんだと思います。
正直、最初に聞いた時は少し大袈裟だと思いました。
でも、実際に着てみると、その言葉の意味がちゃんと分かる。
このTシャツの良さは、着る前より、着た後の方が圧倒的に伝わります。

「スビンコットンだから。」
「36ゲージだから。」
もちろん、それらもこの着心地を作っている大切な理由です。
でも、最終的に着る人に残るのは数字や名称ではなく、「なんか、これ気持ちいいな。」という、もっと単純な感覚なんだと思います。
そして今回、長袖になったことで、半袖とはまた違った部分にも細かな工夫が加えられています。
一枚で着ることもあれば、シャツやジャケットの中にも着る。さらに寒くなれば、ニットやアウターの下にも重ねる。
着方が増えるからこそ、細かな仕様がより重要になってくるんです。
まずは、襟周りから。

襟の後ろ首に当たる部分は、タコバインダーを採用しています。
Tシャツを長く着ていると、どうしても気になってくるのが首元の伸び。
何度も着て、何度も洗う。日常的に着るものだからこそ、避けて通れない部分です。
だからこそ、見た目にはほとんど分からないところまで、きちんと考えられています。

タコバインダーを施すことで、繰り返し洗濯しても首元が伸びにくい。それでも長く着る中で多少伸びてしまった場合には、アイロンを当てることで形を整えやすい仕様になっています。
何度も着て、何度も洗って、それでもまた着る。
特別な日に一度着るためではなく、日常の中で何度も手に取ることを前提に作られている。
そんなcantáteの考え方が、一番分かりやすく表れている部分なのかもしれません。
袖口にも、スビンゴールドのリブを使用しています。
たったそれだけのことにも思えますが、長袖のTシャツを着ていると、袖口には思っている以上に触れるものです。
そのまま着る時。腕まくりをする時。ジャケットやシャツの袖口から少しだけ覗かせる時。
だからこそ、ただ袖を留めるためのリブではなく、肌に触れた時の柔らかさや、着た時の収まりまで考えられています。
実際に袖を通してみると、その違いはよく分かります。腕まくりをしても窮屈すぎず、かといって頼りないわけでもない。
目立たない部分ですが、着る回数が増えるほど、こういう小さな違いが効いてくる。
毎日のように着るものだからこそ、袖口まで気持ちいい。
案外、こういうところが「また着よう」と思う理由になるんだと思います。

裾は、二本針の仕様。
見た目にはごく普通のディテールですが、ここにも長く着るための理由があります。二本のステッチでしっかりと押さえることで、繰り返し着て洗っても裾が伸びにくい。
何度も着るものだから、形が崩れにくいことも大切。
そして、生地自体には適度な伸縮性があり、身体の動きにも自然についてきます。
着丈も、ただ長い、短いではなく、どう着るかまで考えたバランスです。
一枚でそのまま着てもいい。パンツにタックインしてもいい。上からシャツやジャケットを羽織って、裾を少し覗かせてもいい。
出しても、入れても、ちゃんと収まる。
どう着るかを、最初から決めつけない。
長袖になると着方の選択肢が増えるからこそ、こういう何気ない寸法にも、ちゃんと理由があるんです。

一枚でそのまま着てもいい。パンツにタックインしてもいい。上からシャツやジャケットを羽織って、裾を少し覗かせてもいい。
着方をひとつに決めつけない。
そのために、着丈も長すぎず短すぎず、どの着方にも自然に収まるように整えられています。
Tシャツはシンプルな洋服だからこそ、数センチの違いで見え方が大きく変わる。その日の服装に合わせて、自分で着方を変えられる。そんな余白を残した着丈です。
そして、もう一つ。
脇の縫い目です。
正面から見ているだけでは、ほとんど気にすることのない場所かもしれません。
でも、洋服は正面からだけ見られるものではありません。横から見た時、後ろから見た時。立っている時だけではなく、歩いている時。
むしろ、そういう瞬間にこそ、その服のバランスが出るように思います。
脇の収まりを整えることで余計な膨らみを抑え、横から見た時にもすっきりと見える。
正面からでは気付かない。でも、着た姿にはちゃんと効いている。
首元のタコバインダーも、袖口のリブも、裾の二本針も、そして脇の縫い目も。
どれも一つひとつを見れば、とても小さなことです。
でも、無地のTシャツには、その小さな違いを隠してくれる装飾がありません。
だからこそ、目立たない部分の積み重ねが、そのまま一着の見え方と着心地になる。
Essential Teeが一見すると何でもない無地Tなのに、袖を通すと何かが違う。
その理由は、きっとこういうところにあるんだと思います。


ここまで色々と説明してきましたが、やっぱり最後は、着てみてほしい。
それが一番早いと思います。
実際に袖を通してみると、最初に書いた「袖を通した瞬間の感覚」という言葉の意味が、少し分かるはずです。
毛羽が極端に少ないため、まだ暑さの残る時期でも肌にまとわりつきにくく、さらっとした着心地。長袖だから暑いというよりも、生地が肌の上を滑っていくような感覚があります。
僕も初めてEssential Teeを着た時、「無地のTシャツで、ここまで違うのか。」と素直に驚きました。
見た目だけなら、ただの無地Tです。
大きなロゴがあるわけでも、目を引く装飾があるわけでもない。だからこそ、写真だけでは全部を伝えるのが難しい。
触って、袖を通して、洗って、また着る。
その繰り返しの中で、このTシャツに詰め込まれたものが少しずつ分かってくるんだと思います。
春夏には、Essential S/S Tee。
そして、これからの季節にはEssential L/S Tee。
一枚で着てもいいし、何かの下に着てもいい。季節が進めばインナーになり、また暖かくなれば一枚で着る。
そう考えると、こういう何でもない服の方が、一年の中で手に取る回数は多いのかもしれません。
「派手さはないが、なくてはならない物。」
今回のブログを書きながら、僕にとってそれが何なのかを改めて考えていました。
そして、このEssential Teeも、いつかそんな存在になっていく気がしています。
以前のブログで、
「もうこれがあれば、他のTシャツはいらない。」
と書きました。
今回から、少しだけ訂正します。
「もう、この2つがあれば他のTシャツはいらない。」
半袖を持っている方には、その続きを。
まだ着たことがない方には、最初の一枚を。
騙されたと思って、一度袖を通してみてください。
あとは、着れば分かります。
Essential L/S Teeは、9月5日(土) 12:00より発売です!
cliché 冨岡
