Sheepskin Le Corbusier Jacket
Sheepskin Le Corbusier Jacket
— Spanish Heavyweight Sheepskin —
このジャケットは、いわゆる「コルビュジエが着ていたジャケット」を再現したものではありません。
むしろ、その言葉から連想されるオリジナルに対する違和感から始まっています。
サイズ感、ダブルのような前立て、全体のバランス。
正直に言えば、あのままの形にはあまり惹かれませんでした。
だからこそ、見た目は近くても本質はまったく異なる、自分なりの“コルビュジエジャケット”を一から組み直しています。
もし彼がいま生きていたとしたら、きっとこちらを選んだはず。
そんな軽い皮肉と遊び心を込めた一着です。
使用しているのは、スペイン原産の肉用種から採れた極めて大判なシープスキン。
一般的な70ds前後に対し、約100dsに近い個体を選定することで、用尺都合による接ぎを排除し、一枚革ならではの迫力を持たせています。
日本国内でクロームなめしを施し、しっかりとした厚みを保ちながらも、触れた瞬間にシープ特有の柔らかさが伝わる革質に仕上げました。
見た目はカーフのようにきめ細かく、それでいて着ると自然に身体に沿い、動きに合わせてドレープが生まれます。
シングルでありながら、深い内合わせによってダブルのようにも見えるフロント。
大きく主張する胸ポケットと腰ポケット、歪なフラップ、ダブルステッチ。
着込むことで現れるパッカリングや、反り返っていくフラップ、徐々に増していく艶。
これらはすべて、この上質なシープスキンだからこそ引き出される表情です。
身頃裏には、コートの表地にも使われるタフなウールバックサテンギャバを贅沢に。
袖裏にはサックス×白のキュプラストライプを配し、滑りの良さと通気性を確保しています。
ボタンは本水牛、力ボタンには歪な黒蝶貝を選び、細部まで表情のある素材でまとめました。
ボックスシルエットにドロップショルダー。
着丈は短すぎず、長すぎず、日常の中で自然に手が伸びるバランスです。
天候を過度に気にせず、普段着として着てほしい。
そのため、防水スプレーはご法度。革は呼吸を止められるのが一番苦手です。
時間とともに深まる艶と質感。
育っていく過程そのものを、ぜひ楽しんでください。