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501の話が、なぜ噛み合わないのか?

501の話が、なぜ噛み合わないのか?

こんばんは。cantáteの松島です。


今日はディテールの話はしません。

ディテールの話は、「誰も教えてくれない、ジーンズの見方」 、

新型のDenim Straight Trousers以外のサイズ選びは、どの型にする?どのサイズにする?徹底比較。を見てくださいね。


職業柄か、501の話を人とすることがあります。


でも正直、

その時間があまり気持ちよく終わったことがありません。


「やっぱ501が一番だよね」

「あの年代の501が最高」

「いや、もっと前の方がいい」


みんな、自信満々。

でも、話を聞いていると、同じジーンズの話をしている気がしない。


不思議なことに、その501は誰の手元にもなくて、

写真も実物も出てこない。


頭の中にだけ存在している。


しかも、その姿が話すたびに少しずつ変わっている。


なんというか、

見たことないかわい子ちゃんの話をされている感じに近い。


可愛いと耳にするけれど、どこがどう可愛いのかは、

毎回ちょっとずつ違う。

考えてみると、

それも当然だと思うんです。


501って、実は誰も「同じもの」を見たことがないジーンズだから。


ヴィンテージとして残っている501は、すでに誰かの体を通り、

誰かの時間を引き受けた後の姿。


一方で、新品の501は、大量生産の都合で

まったく別の論理で作られている。


つまり、みんなが語っている501は、

どれも実物じゃない。


記憶と理想と憧れが混ざった像です。


だから、話すたびに少しずつ姿が変わる。

 


もう一つ、決定的な理由があります。


501は、そもそも「形を語るための服」じゃなかった。


美脚に見せるとか、スタイルをよく見せるとか、

そういう発想は後付けです。


求められていたのは、

しゃがめること。

裂けないこと。

早く大量に作れること。


それだけです。


なのに今、僕らはそこに

シルエットの理想像を重ねてしまっている。


この時点で、もう噛み合わない。



だから、

501の話はいつもズレる。


腰位置のイメージ。太さの記憶。

色落ちの刷り込み。映画や写真の残像。


何を見て育ったかで、

頭の中の501は別人になる。


それを、同じ「501」という名前で呼んでいる。


そりゃ、

会話がぼやけるわけです。

 

ここで、

少し乱暴な結論に行きます。


だったら、

その「誰も見たことがない501」、作ってしまえばいい。


みんなの頭の中にしか存在しないなら、

一度、現実に引きずり出してみよう。


そう考えました。



cantáteがやろうとしているのは、

ヴィンテージの再現ではありません。


年代当てもしないし、

XXだとか、紙パッチだとか、

そういう話もしない。


やっているのは、

頭の中の501を、一度、構造として整理すること。


腰は、どこにあると安心するのか。

太さは、どこから太く見えるのか。

ストレートは、どこまでを指すのか。


寸法じゃない。

視覚と感覚の話です。

 

人は、パンツを数値で見ていません。


見ているのは、

線の流れ。


ヒップ下から膝までの落ち方。

膝から裾への角度。

歩いたときの揺れ。


だから、

同じ501を見ても、

人によって「細い」「太い」が分かれる。


だから、

大きめの517が

ほぼストレートに見える瞬間がある。


フレアかどうかより、

線がどう続いているか。


その錯覚込みで、人はデニムを記憶します。



ここで、

cantáteが用意した三つの形について、

少しだけ具体的な話をします。


どれも「正解のジーンズ」ではありません。

あくまで、

501という言葉を聞いたときに

人の頭の中に浮かぶ像を、

それぞれ別の角度から掬い取った形です。

 

<cantáte>

Denim Straight Trousers

COL : INDIGO

SIZE : 26, 28, 30, 32, 34

¥49,500 TAX IN

Size : 32 inch

 

Size : 34 inch

 

まず一つ目。

存在し得ない、理想の501型。


これは、

誰かが一度は頭の中で思い描いたことのある501。


腰に乗せたとき、妙に落ち着く。

太いのに、野暮に見えない。

ラフなのに、だらしなくならない。


でも、

実物としては存在しなかった形です。


当時の501は、そこまで整えられる前に

生産の現場に放り込まれていました。


縮率は安定していない。

体型は想定されていない。

サイズは大雑把で、個体差も大きい。


だからこの型は、ヴィンテージの再現ではありません。


当時の制約をすべて無視して、

「もし今、501という考え方を一から作るなら」

という仮定で引き直した線。


501の安心感は残したまま、

でも、どこか都合がよすぎる。


存在しないからこそ、

ずっと語られてきた像を

一度、現実に落とし込んだ形です。


<cantáte>

Denim Tapered Trousers

COL : INDIGO

SIZE : 26, 28, 30, 32, 34

¥49,500 TAX IN

Size : 32 inch

 

Size : 34 inch

 

二つ目。


テーパード。


これは、501の話をするときに

言葉としてはあまり出てこないけれど、

多くの人が無意識に求めている形です。


太いのは好き。

でも、重たくは見せたくない。

靴の上で、線をきれいに終わらせたい。


501に憧れながら、

どこかで「ちょっと扱いづらい」と感じた経験。

その違和感を否定せず、ちゃんと受け止めた結果が、この形です。

一番収まりがいい裾幅のテーパード

 

テーパードは、細くするための形ではありません。


視線を、どこに集めるか。

線を、どこで収束させるか。


その調整の結果として、

そう見えているだけ。


実はこのバランス、

ヴィンテージの501に一番近い形でもあります。


501の記憶を持ったまま、

日常に引き寄せた一本です。

<cantáte>

Denim Flare Trousers

COL : INDIGO

SIZE : 26, 28, 30, 32, 34

¥49,500 TAX IN

Size : 32 inch

 

Size : 34 inch

 

三つ目。

517をベースにした、フレア。


この型が一番、

言葉と見た目が噛み合わないかもしれません。


フレアと聞くと、

広がる、派手、癖がある。

そんなイメージが先に立つ。


でも、

サイズを上げた517を

腰位置を高く、股上を深く履くと、

まったく別の現象が起きます。


裾は確かに広がっているのに、

脚は、ほぼストレートに見える。


これは、

デザインの話ではなく、完全に視覚の話です。

フレアらしい落ち方の裾

人は、

裾幅を見ていません。


見ているのは、

ヒップ下から続く線が

どこまで途切れずに伸びているか。


フレアなのに、真っ直ぐに見える。


517という名前の裏に隠れている

もう一つの像を、

あえて表に引き出した形です。




この三つは、

優劣でも、序列でもありません。


ただ、

501という言葉を使ったときに

人が思い浮かべている像が

実は一つじゃない、というだけ。


安心感を求める人。

線の綺麗さを求める人。

錯覚の中に格好よさを感じる人。


cantáteは、

そのズレを無理に一つにまとめなかった。


だったら、最初から三つ並べてしまえばいい。


そう考えました。


いいデニムを見分ける話は、

もう十分されてきました。


でも、

なぜ自分はこの形が落ち着くのか。

そこまで掘られた話は、意外と少ない。


501は、

完成された名作じゃない。


みんなの頭の中で、

今も形を変え続けている未完成品です。


だったら、

その途中経過を、

ちゃんと服として置いてみる。


それも、一つの誠実さだと思っています。


Denim Straight Trousers

Size : 34 inch

Riosを履くとちょうどヒールに引っかかる裾、最高


もし次に501の話をすることがあったら、

相手の言葉より、

どんな姿を思い浮かべて話しているかを

想像してみてください。

おニューのTバック、00サイズ糊付けしました

 

たぶん、

その人はその人なりの

**「見たことないかわい子ちゃん」**を

一生懸命説明しているだけです。


そして、

それでいい。


clichéには、

その像を現実にしたジーンズが置いてあります。


答え合わせじゃなくて、

すり合わせのために。

 

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cantáte 松島 紳

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