男らしさを、生地から作る。
生地は、きれいであればいい?
均一で、整っていて、シワがなくて。もちろん、そういう生地もいい。
でも僕は、少しくらい荒れていた方が、男の服には似合うと思っています。
こんばんは。cantáte 松島です。

<cantáte>
"Linen Washi Shirt Blouson"
¥71,500 TAX IN
"Linen Washi M51 Cargo Pants"
¥82,500 TAX IN
今回使ったのは、経糸に細番手のリネン、緯糸に和紙を使い、高密度に織り上げた生地です。
まず、触るとかなりドライ。
リネンの乾いた感触に、和紙のハリが加わっている。そして、見た目以上にしっかりとウエイトがある。
決して軽くはない。むしろ、ちゃんと重さがある。
でも、その重さが暑苦しさにはつながらない。
肌にまとわりつかず、着たときに生地が身体から少し離れてくれる。
この肌離れのよさが、この生地の面白いところです。

シワは消すんじゃなくて作る。
仕上げに、かなり強いワッシャーをかけています。狙ったのは、いわゆるカミナリ⚡️のようなシワ。
生地の上を、不規則で荒々しいシワが走る。整った生地を、わざわざ崩しています。
普通なら、シワはなるべく出さないようにする。でも、この服では逆。
シワがあるからこそ、表面に陰影が生まれる。生地に厚みがあるから、その凹凸もきちんと残る。
着込んでいけば、さらにアタリが出て、擦れるところと残るところに差が生まれてくる。新品のときに完成しているのではなく、着ることでさらに荒れていく。
そこが男らしい。


シャツの着心地で、ブルゾンの顔
この素材で作ったのが、Shirt Blouson。
名前の通り、シャツとブルゾンの間にある服。ただ、見た目はかなりブルゾン寄り。
生地にウエイトとハリがあるので、一枚で着ても輪郭がきちんと出る。肩から袖にかけても、ふにゃっと落ちるのではなく、線が残る。
それでも、作りはできる限りシャツの延長です。
構造線はすべて折り伏せ。縫い代を表に出さず、内側の情報量を徹底的に減らしました。


表は荒々しい。でも、内側は静か。
この対比が僕はとても好きです。
着たときに余計な縫い代が当たらず、見た目の強さとは反対に、身体への当たりは穏やか。
立体感も、余計な装飾ではなくパターンで作っています。肩から袖への落ち方も、切り替えやディテールを増やすのではなく、線そのもので調整する。
ブルゾンとしての存在感はある。でも、着心地まで重たくしたくはなかった。
そのバランスです。



M-51は使いやすいパンツ。
同じ素材で、M-51 Pantsも作りました。
M-51には、もともと男らしい強さがあります。太いシルエット、大きなカーゴポケット、軍物らしい無骨さ。
今回は、その雰囲気を残しながら、少しだけ日常へ引き戻しています。
シルエットはしっかりワイド。腰まわりは収まりをつけて、太ももから裾に向かって素直に落とす。
生地にウエイトがあるので、この太さでも線がぼやけません。歩いたときには、膝や腿に大きなシワが入り、生地がたわむ。その動きも含めて、かなり男らしいパンツです。
カーゴポケットやフラップは、必要以上に大きく見せない。トップボタンには水牛、フロントファスナーにはTALON。



こういうディテールも、ヴィンテージらしさを見せたいからではなくて。
何度も触って、何年も穿いたときに、ちゃんと馴染んでいくものを選びたいから。
服の強さは、派手なディテールではなく、使い続けたときに出てきます。


荒々しいけれど、雑ではない
セットアップで着ると、かなり存在感があります。
カミナリのようなシワ、乾いた表情、しっかりとしたウエイト。決して繊細な服ではない。
でも、ただ無骨なだけでもない。
縫い代はきれいに収め、線は整理し、必要のないものは削っています。
荒々しさはある。でも、雑ではない。
男らしさって、たぶんそういうものだと思ってて。
大きく見せたり、強く見せたりすることではなくて、余計なことをせず、それでもちゃんと存在感がある。
もっと分かりやすく軍物に寄せるのなんて簡単なんです。
ポケットを大きくして、ディテールを増やして、もっと「それらしく」するだけ。
でも今は、そのまま持ってくるより、一度引いて考える方が面白い。
生地には荒々しさを残す。形には静けさを残す。
その二つが一緒にあるくらいが、今の僕にはちょうどいいです。
きれいすぎない。軽すぎない。
荒々しさと品のよさ。その両方があって、僕の思う男の服になる。
cantáte 松島 紳