サマーカシミヤというジャンル。
こんにちは。
clichéの杉村です。
春夏物の入荷が進み、店頭も彩り豊かに、軽く浮いたムードが出てきました。
帽子やアクセサリーの入荷があったことで、フルスタイリングが組めるくらいにアイテム数が充実しています。
春の全身スタイリング1発目が完成して、暖かくなりそうな兆しのある今は春の一番いい時期です。
着るものの選択肢が増えるのは嬉しいことですが、反面、悩みも増える。
街に出てみると、冬のコートを着込んでいる人もいれば、春の軽いジャケットを羽織っている人もいます。
何を着るのが正解なのか、、
せっかく買うなら、今の時期から5〜6月くらいまで使えるものが望ましい。
実はコットンニットは着る時期が長いです。
ニットは1本の糸を編んで作られるので、継ぎのない丸みを帯びた形をしています。
ふっくらとしたボリュームと、包み込まれる安心感、空気をまとったカットソーとは違う優しさ、高級感。
特に春夏は軽く薄い服が増えるので、たまに秋服のようなボリュームが恋しくなるときがあります。そんな時に悩みを解消してくれるのがニット。
暑くなると冬の格好がしたいし、寒くなると夏の格好がしたい!という、ない物ねだりのあの感覚に近いかもしれません。
cantate
¥159,500 (TAX IN)
cantate
"Assemblage Grange Crew Neck Sweater"
¥137,500 (TAX IN)
cantate 23SSでは、グランジシリーズのカーディガンと丸首のセーターを出しています。
自分はカーディガンタイプを購入。
ここ1、2週間は暑かったり寒かったりと、気温の上下幅が大きかったので、羽織として大活躍。
暖房のON / OFFを迷い始める時期で、行く場所によって全く温度が違うことがあったので、かなり役立ちました。
商品名のグランジに並んでいる単語、アッサンブラージュ=組み合わせる・集合する
といった意味のあるフランス語。
ワインの用語にも使われるみたいで、調合の意味もあるようです。
生地はコットン60% カシミヤ40%の組成。
普通コットンカシミヤで使用されるカシミヤは多くて15%くらいですが、
今回のニットには40%を使用。かなりの高混率です。
カシミヤは、モンゴルの特定の地域、中国内蒙古自治区西部でのみ産出されるアラシャンカシミヤを使っています。
寒暖差が大きくて風が強く、めったに雨が降らないという非常に厳しい気候条件から身を守るために、生き抜くために生えている毛が、アラシャンカシミヤとして産出されています。
カシミヤは体温調節にも優れるといいますが、こうしてストーリーを辿っていくと納得出来る理由です。
細くて白い、光沢の強いカシミヤにコットンを混ぜることで、
弾性力が増してシルエットを形作る硬さとコシが加わります。
週3くらいで着た感想としては、快適の一言に尽きます。
肌触りが良い。というのもそうですが、"快適”と説明するのが合っている気がする。
肩にフワッと重みが乗る感覚で、ニットを着ている気分をしっかり味わうことが出来るし、
5ゲージで通した編み目の見える適度にゆったりするシルエットは、春夏に着ていても心が軽い。
重さと軽さのバランスが春夏のニットとして完成しています。
度目をしっかり詰めているのでコットンニットにありがちなダレがなく、なお暖かい時期の着用イメージが湧いてくる、デザインされたバランス。
穴が開いているのに上品さが失われない、cantateらしいバランスです。
パッと見で気付く人は少ないのですが、
実は穴の位置が全部一緒なんです。
編み地のデータを作ってプレーンニットを作るのと同じように作られているので、
100着作っても、100着全部が同じ穴の配置になります。
尖ったドライバーなどで穴を開けてしまうと、ダメージが広がる。
このニットの穴はイミテーションだと思ってください。
プレーンより引っ掛けやすいので引っ掛けないよう注意してくださいね。
脱線しました。
こんな贅沢な糸に穴を開けてはもったいない。
という声も聞こえてきそうですが、
ペラッペラのニットに、手で穴を開けるのとは訳が違う。
"1kg◯万円するカシミヤに穴を開けてしまうともったいないじゃん。
でも、カシミヤにダメージを加えて穴が開いている風のニットが見てみたい。見たことないし、見てみたい欲が勝った。"
そう松島さんはポロッと呟いていた。
ブランドとしての器量がわかるし、他にはないから素直に胸が高鳴る。
拘り抜いた先にしか見えない、ラグジュアリーなグランジ。
穴が空いてなかったら果たして、買っていただろうか。
CREDIT
cantate "Thermal L/S Shirt" ¥27,500 (TAX IN)
cantate "Sulfur Back Satin M-51 Pants" ¥52,800 (TAX IN)
CREDIT
cantate "The Band Collar Shirt" ¥49,500 (TAX IN)
今の時期から気軽に使えるカーディガン、スタイリング数も自然と増えます。
プルオーバーより着丈が長く縦のラインが綺麗なシルエットなので、レイヤードも考えやすい。
合わせる服も悩むことなく決まるので、
何を着るか選択肢の多い時期に、やはり心強い存在。
サーマルteeにシャツ、色のあるものからシンプルなものまで
包み込んでくれるのがカーディガンのおいしいポイントです。
各所に減らし目が入り、肩から腕に沿うようスルッと落ちていく様も美しい。何にでも重ねて着たくなる。
ゆったりなワンサイズだからインナーとの相性が広い、
ニットのが持つ丸みを活かしたシルエットなので、羽織るだけで良い。
肌触りが心地良いので、贅沢にヘビーユーズ出来る。
羽織りモノとして欲しい部分を全て拾ってくれています。
CREDIT
cantate "Thermal L/S Shirt" ¥27,500 (TAX IN)
cantate "Sulfur dye Pants" ¥55,000 (TAX IN)
CREDIT
cantate "Mods Sleeve Shirt" ¥55,000 (TAX IN)
cantate "Hard Twist Satin Suit" (組下のパンツのみ着用) ¥363,000 (TAX IN)
クルーネックもワンサイズ。やはり重ね着が楽しい。
カーディガンに比べて着丈が短く、全身のバランスをイメージしやすい整ったボックスシルエットです。
裾と袖からインナーを見せても良いし、シャツにネクタイを巻いて首元から覗かせても良い。
もちろんクルーネックニット自体をインナーにも出来るので、
随所随所で差し込みやすいのが強みですね。
もう2月も中頃になりますが、寒く感じる日の方が多いので、コートやジャケットの出番はまだまだあります。
だからこそ、買い足しはニットから。
カーディガンもですが、季節の変化にうまく対応してくれるので、こればかり着て他の服の登場機会を奪ってしまう罪なやつ、、、
CREDIT
cantate "T Shirt" ¥20,900 (TAX IN)
m's braque "EASY PANTS B" ¥42,900 (TAX IN)
CREDIT
cantate "T Shirt" ¥20,900 (TAX IN)
柄の強いパンツを押さえる役目も出来るし、
暖かい時期が近づいてきたら、Tシャツ1枚にカーディガンのリッチでラフなスタイルに挑戦したい。
OFF WHITEのカーディガンを選んだのは、
春夏のウェアにはあまり出せないボリュームを出しながらも、
馴染ませて使えるウェイト感覚が、アレコレ幅広く着たい自分にしっくりきたから。
夏は半袖Tシャツ1枚に羽織るだけで満足しそうだな、、
サマーカシミヤってこういうものだなと納得しています。
最後に、〇〇にしかないものって興味が湧きませんか?
ニットにしかないもの。丸み・伸縮性・柔らかさ。
ニットのシルエットはニットにしか出せない。
特に春夏は、他の洋服で同じように形が作れない、代わるものがない。
僕がニットを好きな理由です。
自分と同じ、シーズン問わずニットがお好きな方。
春夏もウンウンとうなづいて、納得しながら使える仕上がりです。
アンサンブルで買ったお客さまがいらっしゃいましたが、それもわかるくらい。
サマーニットといっても様々ですから、せっかくなら贅沢に長く使えるものを選びましょう。
カシミヤの王様と称される、アラシャンカシミヤ。
そのカシミヤとコットンのアッサンブラージュは未体験の肌触りなはず。
実際に6月まで着て、また9月から着ることが出来て、計10ヶ月間着れるサマーカシミヤというジャンル。
沼じゃん。
ぜひ、お試しください。
cliché 杉村