AVM from Nemuro.
こんにちは。
clichéの木下です。
アクセサリーを普段からジャラジャラとつけています。
気に入ったら買ってを繰り返していましたが、最近は少し心境の変化もあり、
身に付ける量の多さに食傷気味。
魔女みたいに沢山付けることがかっこいい、なんて思っていましたが、
次第に洋服の邪魔になってきていることに、気づきました。
下手をすれば全部の指に付けていたこともあったし、もはや片手で7つくらいのときもあった。
眼鏡とかもそうだけれど、そりゃあまずそっちに目が行ってしまう。
というのも、なんだか悲しい。
洋服がメイン、もしくはアクセがメイン。
でも今思っているイメージは、どちらにも当てはまらない。
共に平等のバランス感で一体感を出すこと、それがテーマです。
でも身に付けないなんてあり得ないので、ちょっと趣向を変えることにしました。
インディアンジュエリーが多かったが、
そんな風に派手ではなく、それぞれに"馴染む"アクセサリーを。
お店で取り扱うアイテムを決める時、基本的には松島さんと意見を出し合って、
これどう、これもいいじゃん、みたいな感じで話が進んでいく。
でもアクセサリーって中々難しくって。。
あまり被らず、さらには歳をとった先でも愛着があってつけられるようなポジションが良いし。
値段が全てではないにしろ、
「 これかっこいい! 」
そうやって頑張って買った思い出は、愛着に直結する。
僕たちが扱うのは品質も伴わないけない。
高揚感と出会ってしまった諦観は買うことでしか補えない。
アクセサリーを付けずに外に出てしまった時ほど凹む日はありません。
洋服同様、気分を上げてくれる自分のモチベーションそのもの。
だから僕も、ちょっと奮発しても良いと思っている。
- AVM (アーム) -
サンスクリット語で聖音、英語では腕、
フランス語で精神、魂、それらを合わせての造語からなる"AVM"は、
北海道根室市在住の古川氏が手掛けるジュエリーブランド。
東日本大震災をきっかけに三重県から根室に移住し、
根室市文化推進協会会長や根室市移住アドバイザーetc、といった側面も持つ。
シルバーとゴールド、さらには蝦夷鹿の角を主軸に、数多くのデザインを生み出しています。
自然から力をもらって生きている。
古川さんのインタビュー記事を読むと、根室に移住した理由や物作りに対する心持ちが記されていました。
震災を機に移住した古川さんは、震災で崩壊していくさまを見て、人間の生活を何かしらの形で変えていかなければならないと思ったそうです。
そうして根室に移住し、都会では得られない環境を作る。
自然と隣り合わせで生活していくことで、アイデアを生み出したと言います。
そんなパーソナリティ・視野の広さが、他では補えないデザインを作り出し、
自然や人間の力強さを感じさせるジュエリーとしての一括りではないアプローチ。
まるで根室の香りを残しているかのように。
今回ご用意したのは、こちらの8型。
僕が欲しいやつ、憧れの一品も含め、大満足のラインナップ。
松島さんも、オーダーする前から決めていたこの写真にはないゴールドのバングルをゲットしていました。
さすがっす。。汗
AVMの形式は、オーダー制。
気に入った品番のサイズを測ってから指定し、数週間後に手元に届くといったものです。
店頭にあるものは満遍なくオーダーしたサンプルなので、
自分の付けたい指・腕のサイズに合わせて一点一点仕上げて頂きます。
この型数なので納品までの時間もかかり、
先日までは2モデルしかなかったためご紹介していませんでした。
全て揃ったので、満を持してのご紹介です。
届いて一点一点見てみると、クオリティと美しさ、緻密さに感動しました。
納品を急かしてしまったことを反省しています。笑
rythme 細 (右・左)
Size : S / M
¥78,000 (¥85,800 TAX IN)
rythme 太 (右・左)
Size : S / M
¥100,000 (¥110,000 TAX IN)
鯨の骨をモチーフにしたシルバーバングル。
シルバーはよく耳にするであろう925ではなく"950"。
95%がシルバーで、噛み砕くと925よりもワンランク上のものですね。
角張った方と鋭利な方、湾曲したフォルムがシンプルながら存在感のある仕上がり。既出感もなく、どこか近代的がグッとくる。
付ける向きも拘っていて、右手用・左手用が存在しています。
あとはサイズ。
ある程度のサイズ調整は可能ですが、松島さんも僕もSだったので、ほとんどの方がSかと思われます。
本来であれば型を作って流し込んで、という大量生産。
AVMの場合は、切って、溶接して、叩いて、と一つ一つ仕上げています。
月50個でも相当ハードだと言いますが、そこに拘っているというのが、選びたくなるポイントでもある。
"ANGEL"
右 K20 ¥240,000 (¥264,000 TAX IN)
左 SILVER950 ¥50,000 (¥55,000 TAX IN)
丸いフォルムが特徴的なANGELは、ピンキーリング用にデザインしたモデル。
クラシックな見え方ですが、表面にはマット加工がされているのでいやらしさもありません。
また、僕たちが選んだ理由でもある刻印。
しかも表に出すのではなく、裏に。
ブランドネームを全面に押し出さない、自分にしかわからないところに惹かれる。
ちなみにANGELの場合は、夜にメッセージを交わす天使。
よく見るとシリアルナンバーと、2022も彫られています。
手の込みようが半端じゃない。
"KNIGHT (K20)"
¥200,000 (¥220,000 TAX IN)
薄めの板から成形した、シャープな仕上がりのKNIGHT。
シェイプした作りが特徴的で、裏側には騎士や太陽、月、市民?の彫柄があり、
どうやら甲冑を暗示しているそう。
チラッと見えるsign...Jという文字は、昔錬金術師が用いた言葉なんだとか。
こちらも表面はマットに仕上げており、内側とのメリハリが効いています。
"HUNTER (K20)"
¥490,000 (¥539,000 TAX IN)
オーダーした中でも最も重厚なHUNTER。
力強い見え方ですが、裏の彫柄からは温かみすら感じます。
木々が生い茂る月夜に、数匹の鹿。
“鹿は自らの意思でハンターの前に姿を現す。それがわからないハンターはただの殺し屋だ”
といった文章にインスパイアされているとのこと。
生命の力強さと、哀しみも感じられる。
人間と自然のあり方を表現しているのではないかと思う。
"TAIGA"
¥50,000 (¥55,000 TAX IN)
"PRAY"
¥74,000 (¥81,400 TAX IN)
"BISHOP"
¥74,000 (¥81,400 TAX IN)
蝦夷鹿のツノを使用したモデルは、3種類ご用意しました。
古川さんが浜辺を歩いていた時に落ちていたツノがきっかけとなったモデル。
そこから2年費やし、形になったと言います。
表面も非常に綺麗、相当手が込んでるなあと思っていましたが、
ツノ20本に対して、そこから使えるツノは一本。
そしてその一本から作ることのできるリングは三つ。
想像を遥かに超えた、神秘的かつ稀有な佇まいのリングです。
表面の模様は、一つ一つ半田ゴテで焼いているそう。
僕も上京前に工場で働いていた時に半田ゴテを使ってパチンコ北斗無双の基盤を作っていましたが、
勿論ながら、その時とは比べられないほどの緻密さ。
外側に模様のない無垢な"TAIGA"は、内側に針葉樹林のタイガが彫られています。
また、表面の窪みは削り出して表現。
白のリングはすごく新鮮味に溢れていて、勿論目立つ。
けれど無機質な見え方が程良く気が抜けた雰囲気なので、
うまく洋服とも馴染むのではないか、と思っています。
僕はPRAYが欲しい。
着画が撮れていないので想像し辛いことかと思いますが、
軽装になる夏、めちゃくちゃかっこいいアクセサリーを付けましょう。
既に店頭には並んでいるので、是非一緒に話しながらお気に入りを見つけられればと思っています。
多少の誤差はあるかもしれませんが、8月中に届くのではないかと。
北海道出身の松島さんいわく、根室は何もないよ!wとのこと。
都会に比べると情報量も劣る、けどこれほど情報に溢れた今だからこそ、
むしろ自然からのインスピレーションや、東京にいる僕らには触れることのできない、
その土地でしか得られないものが反映されている。
根室に移住し、ジュエリーのみならず、街づくりや野菜作りにも力を入れている。
あくまでジュエリーを作ることが中心軸、でもそれらは全て一括り。
AVMのジュエリーには、
力強さがあり、
温かさがあり、
メッセージ性がある。
ずっと付けていたいと思えるジュエリーが見つかりました。
一言で表すのであれば、"調和"です。
※オーダー制のため、オンラインでの掲載はございません。
cliché 木下