濡らすという選択肢。
春くらいは、理由より気分で。
大人の象徴。
装飾のない説得力。
季節はまたぐ。
レザージャケットは、濡らしてはいけない。
そう思っている人は多い。
でも僕は、シャワーでびしょ濡れにする。

左が新品、右が私物
こんばんは。cantáte 松島です。
今日は経年変化についてのお話です。
レザージャケットの仕様やデザインについてはこちらを見てくださいね。
今回のシープスキンも、完成後すぐに水を通した。
そしてそのまま1週間、毎日着続けた。
理由は単純で、突然の雨に動揺したくないから。


一度しっかり濡れて乾いた革は、
次に濡れても過度に反応しない。
最初の一回で繊維を動かしておく。
それだけで、革は落ち着く。
雨を気にしながら着る服は、どこか構えてしまう。
最初に向き合っておけば、もう気にしなくていい。

まだ一週間しか着ていない。
このシープスキンは、顔料で厚く固めていない。
染料中心の仕上げだから、繊維がそのまま動く。


濡れたからこそ出る大きいシワ
水を含むと一度ゆるみ、
乾く過程で繊維が締まる。
そのとき、革は少しパリッとする。
人間も同じだと思う。
風呂上がりに何もつけなければ、肌は張る。
水分が抜ける瞬間、表面が引き締まる。
革も、張る。
あの“ぱりっとした質感”を
「いいレザーですね」と言われる理由は、
油分の量だけではなく、この締まりにある。
柔らかいだけでは、雰囲気は出ない。
締まりがあるから、その後の馴染みが生まれる。




CREDIT
cantáte "Sheepskin Rive Gauche Jacket"
cantáte "WWⅡ T-Back Jacket (VINTAGE WASH)"
cantáte "Denim Flare Trousers (VINTAGE WASH)"
シャワーで濡らすのは乱暴に見えるかもしれない。
でも僕にとっては、癖付けだ。
肩の落ち方。
肘の入り方。
身頃の前振り。
身体の圧力を、一度で入れる。
加工で作るのではなく、
体温と重さで形を作る。
結果として、1年着たように見えることもある。
でもそれは時間の短縮ではない。
自分の時間を、最初に刻んだだけだ。
最初に濡らすのは、覚悟みたいなものかもしれない。
この革を“保管するもの”ではなく、
“使うもの”にするための。
そしてありがたいことに、
このシープスキンは着々と素敵な方の元へ旅立っています。
革は、置いておくより、誰かに着られた方がいい。
気になっている方は、どうぞお早めに。
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cantáte 松島 紳