僕たちのイマ。
こんにちは。
clichéの木下です。
僕は面倒臭い人間で、自分で言うが多分変わったやつです。
あぁ言えばこう言うし、
納豆をご飯に乗せる前に、まず白ごはんに醤油をかける。
ちなみに唐揚げにはレモンをかけたくないし、
弁当の食べる順番は、白ごはんが先に無くなり、おかずが最後。
あと、youtubeはホストチャンネルが好きです。
同じく、洋服の選び方にしても、多分うるさいほう。
、、年々うるさくなっている気がする。
また言ってるわ。
今日のブログはちょっとやかましいかもしれません。
クラシックなアイテム、ミリタリーアイテムは、
オリジナルが一番格好が良いに決まっている。
忠実に作ったと謳う、中途半端に再現された現代ブランドのアイテムには、あまり価値を感じません。
金額面で手が出せないならば、イチからエイジングを楽しめる物が欲しい。
中途半端なデザインかつ、エイジングを再現したものならば、
尚のこと魅力を感じません。
だって、自分で着込んだ方が格好がいいから。
じゃあどこに魅力があるのって、おそらく価格帯にしかない。
確かに仕方なく買うこともあるかもしれないけれど、
価格だけが勝っているもののどこに価値があるのか。
わざわざ今買うのならば、
何か。どこか。違いを求める。
clichéにあるcantateやKOOKY ZOO。
cantateは忠実に見えて、そんなことはない。
ジーンズだってM-51だって、生地や縫製を再解釈しているからこそ魅力的です。
歯痒い部分を解消する一方で、そのままだなと言う人がいるとするならば、
まだ僕には説明する能力が足りていないのかもしれない。
わかり辛くも、今1stのデニムジャケットを作るなら?
501を作るなら?といった微々たる修正点。これがまた難しい。
良くも悪くもオリジナルがなければ存在しないが、
敬意の現れとディテールを見て、一番デザインされていると僕は思う。
KOOKY ZOOだって、子供服を大人服へ作り替える時点で、
これはもうぶっち切りの優勝でしかない。
存在しないもの、ここでしか完結できないものだから、
古着では手に入らないし、そのブランドで買おう。
それが、僕の洋服を買うときに第一に考えていること。
でもオマージュやインスピレーションも、圧勝すればオリジナルに成り得る。
僕の身近にもいましたが、オリジナルだと思い込んでいた人もいるほど、
歴史のあるミリタリー、
ワークウェアを専門とするブランド "BUZZ RICKSON'S"。
フライトジャケットの歴史と誇りを追求するため、
1993年にブランドをスタートし、今年30周年を迎えました。
空軍/陸軍/海軍/海兵隊のミリタリークロージングまで完全復刻。
糸の紡績から織り、素材、各部のパーツ、
フォルムに至るまでのディティールに徹底的にこだわっていることがわかる緻密さがあり、
ヴィンテージミリタリーウェアが持つ魅力を最大限伝え続けています。
いっそ本物と言ってもいいレベル。
ひょんなことから展示会へお伺いしましたが、
ゴリゴリのアメカジスタイルの方々ばかりがいる中、
少年がぽつんといるような感覚。なんだか族に囲まれた気分でした。
確実に、校舎裏に呼び出されたら勝てない。
製品と並ぶヴィンテージウェアは、
手に入れられるようなもの、じゃないものが当たり前のように陳列され、
博物館にいるような気分に苛まれた。
まさに王者。大迫半端ないって!
親父も着ていたので、知って長いブランドですが、
正直、昔の僕はそそられませんでした。
おじさんっぽいな、そう思っていました。
その時の自分の頬を、本気で殴ってやりたいですね。
奥さんの妹からしたら僕はもうおじさんなので、
歳のせいで気になっているのも否定できませんが、
色々と知識が増え、知っていくことで素直になれたみたいです。
改めて、BUZZ RICKSON'S。
超 格好良いじゃん。
"L-2B"
COL: SAGE GREEN
¥68,200 (TAX IN)
"A-2"
COL: S/BROWN (NO STENCIL)
¥198,000 (TAX IN)
ご存じL-2BとA-2。
沢山ありすぎてどこをオーダーしようか頭を抱えましたが、
まずは第1回。カラーも絞り、"ザ・ミリタリー"をご用意しました。
大手とあってサイズの自由度も高かったので、
L-2BはL、XXXLの2サイズ。
A-2はレザーなので、ジャスト希望です。
まずはA-2から。
存在感のあるホースハイドを採用したフライトジャケットです。
1914年に勃発した第一次世界大戦で、初めて軍用機が開発されました。
それまでは軍用機がなかったことで、今僕たちが呼んでいるような、
"フライトジャケット"はなく、着丈の長いレザーコートが主流だったそうですが、
軍用機の開発に伴って装備品等の開発が進み、フライトジャケットが生まれます。
当時の軍用機は、コックピットからパイロットが剥き出しになっていたので、
ウェアの開発にあたって重要視されていたのは、防寒性。
数年後に"クローズドコックピット"が生まれたことによって防寒性は必要なくなり、
動きやすく、機能面を重要視したフライトジャケットの開発が進みます。
開発の末生まれたジャケットが、A-1。
その後継となるのが、今回仕入れた1931年に開発されたA-2になります。
アメリカ史上歴史に残る傑作と言われ、フロントはボタンからファスナーへと変わり、
数々と開発されていくことになるフライトジャケットの指針的存在になるのです。
だからこそ外せなかった、A-2。
レザーに刻まれたエイジングやシワは、兵士たちが生き抜いた証。
歴史を物語っていて、これは単なる装備品ではなく戦友。
今日まで生き延びてきた自分自身の存在証明でもあると言われています。
出会ってきた洋服の何よりも考えられて作られていることがわかる、細かいディテール。
元来ミリタリーは、"生き抜く"ことだけを考えられているモノなだけに、
当たり前のように抜かりがなく、現代にも生きてくる工夫が詰まっている。
これがなければ今の洋服は生まれていなかったのだから、
興味しかそそられない。ファッションの原点です。
当時の総生産数は70万着だったと言われています。
30年代は5社ほどが受け持っていたといいますが、
今回仕入れたのは、"エアロレザー社"が手がけた最後期に当たるモデルです。
このモデルを選んだ理由は、圧倒的な着易さにありました。
レザー、そしてジャストフィットなので決して楽とはいえませんが、
他のもので代表的なものを挙げると、台襟が付いていて襟が高かったり、
左右の襟の中心位置がずれていたりするイレギュラー品など、
迫力があって、"怖そう"といった威厳すら感じられる仕上がりですが、
着比べると圧倒的にこのモデルがいいとなるはずです。
また、リブがレンガ色の、"赤リブ"。(他はブラウンのミックスリブ)
深いブラウンのボディとのコントラストが美しく、見入ってしまいます。
よく見るエポレットではないですが、レザーを6枚分折り曲げた仕様。
負傷した兵士を助ける時に、掴んでも破れないように強靭な厚みにしていた言われています。
襟には風の侵入を防ぐフック、ポケットは両サイドに2つ。
脇下には汗抜きとなるアイレットを施しています。
スラックスや丸みのあるパンツに、ジャストフィットのA-2。
一言目は間違いなく、漢。
ジーンズにブーツを合わせてティアドロップサングラスをすれば、
流してもいないのに、脳内はケニーロギンスで埋め尽くされるだろう。
L2Bは、ライトゾーン(比較的温暖な気温域)で使用されていたジャケットで、
MA-1の中にあるウールパイルがない、軽いバージョン。
レザーでは動き辛くなってしまうので、可動域の確保を考え、
ナイロンで適度な防寒機能を兼ね備えています。
最初期型で基盤となるL-2には、 L-2A / L-2Bとありますが、
SAGE GREENのカラーリングに惹かれ、L-2Bを選びました。
生地の厚みもやや変わるため、秋口にすぐ着用できるという利点あり。
元々このタイプのジャケットは買おうと思っていたところに、舞い込んできたので、
ジーンズにブーツといった、素直なアメカジで合わせるつもりですが、
個人的にずっとしたかったスタイリングを後にご紹介させてください。
たまたまネットで見つけた拾い画が忘れられず。
ようやく解決です。
L-2Bが産声を上げたのは、1955年。
それから1979年まで採用されていたと言われている、
非常に息の長いジャケットです。
その間も改良に改良を重ねてどんどん進化していっていますが、
このL-2Bは、1958年に納入された"スカイラインクロージング社"の実名復刻モデル。
同時期にMA-1やN-2B,3Bなども制作していたコントラクターで、
技術、生産キャパシティーにおいて、質の高さが売りだったといいます。
生地にはヘビーなナイロンツイルを使用。
ライニングはウールレーヨンで、サテンのような光沢があり、
品の良さすら感じてしまうコントラストの豊かな1着です。
汗をかいてしまった時の着脱のし易さを考えた生地らしく、
肌あたりもベタつかず、さらさらとした質感が特徴的。
手間と質においても、表地に使用してもいいほどのクオリティ。
足しも引きも全くない仕上がりなので、
エポレット、高い位置にあるフラップポケット、三角タブ、
これだけ沢山のモデルがあっても、このディテールを見ることで、
一発で、MA-1と見分けていたんだそうな。
シガレットポケットには弾丸入り。
地味に嬉しい。
リブはスーツにも使用されているような梳毛を強撚して編み立てている、
ウール100%のリブニット。
ストレスが無く、ぎゅっと留まることで熱を逃さずに着用できます。
防虫対策はした方がいいと思いますが、経年でダメージを負ったり、
虫食いでグランジ感が出てくるのも格好が良いので、楽しみですね。
冒頭で触れましたが、サイズはLとXXXLをオーダーしました。
Lはクラシックフィット、XXXLは主にオーバーサイズとしてですが、
過度なモノではないので、
レイヤードしたい等、スタイリングのイメージで選んでみて下さい。
CREDIT
cantate "T Shirt" ¥20,900 (TAX IN)
cantate "Denim 1955 Trousers" ¥42,900 (TAX IN)
CREDIT
cantate "The Shirt" ¥48,400 (TAX IN)
cantate "Denim Flare Trousers" ¥40,700 (TAX IN)
CREDIT
cantate "Garment Dye Crew Neck Pullover" ¥55,000 (TAX IN)
cantate "Denim 1955 Trousers" ¥51,700 (TAX IN)
Rios of Mercedes "Harness Latigo Cowboy Roper Style" ¥220,000 (TAX IN)
CREDIT
cantate "Thermal L/S Shirt" ¥27,500 (TAX IN)
cantate "Fine Corduroy Trousers" ¥55,000 (TAX IN)
CREDIT
cantate "Turtle Neck L/S Shirt" ¥27,500 (TAX IN)
m's braque "EASY PANTS / SHINEE TWILL" ¥46,200 (TAX IN)
ミリタリーってなんだ。
ミルスペックってなんだ?
説明しろと言われても数年前の僕だったら、
軍用に使われていた洋服とか、そんな感じで答えていたことだろうと思う。
先日、というかいつもですが、、ミリタリーについて、洋服については、
松島さんからよく教わっているので、たまに面白い話も出てくるんです。
最近一番腰を抜かしたのは、
MA-1のフロントの前立ての角が丸いのはなんでかわかる?という質問だった。
みなさんは、なんでか分かりますか?
今でさえ僕の口からは、
元々そう言うモノだからとしか答えが出なかった。つまらん男です。
元々は角が尖っていたそうなんですが、
MA-1って雪山とか、寒いゾーンで着るものですよね。
水に濡れた前立てが凍ってしまい、
それが首に刺さって死んだ兵士がいたんだそうです。
なんて残酷な、、ですが、
それからは丸みのあるデザインに修正されていまに至る。
ミリタリーには全部、理由がある。
今の洋服にも理由があるはず。
ただ、その理由が見えなくなった瞬間、一瞬で冷めてしまうのだと思う。
ミリタリーとは、死なないため、生き抜くために作られたモノ。
ミルスペックとは、同じく生き抜くために考えられたスペックのこと。
本質を見ずに格好が良いといっていたのが恥ずかしくなるほど、
今の洋服の原点となったものであり、
戦争がなければミリタリーは存在せず、今の洋服もなかった。
今、僕たちが気軽にファッションを楽しめるということは、
ミリタリーがあってこそなんだ。
だからこそ、"知る"ということが大事であり、
BUZZ RICKSON'Sが格好が良いと感じたのは、必然だったのかもしれないと思った。
BUZZ RICKSON'Sは、ただの復刻なんてモノではない。
大袈裟ながらも、歴史をも継承する。
そして、人間の存在証明、
僕たちの"イマ"がある理由を物語るブランドだ。
ということで、L-2BのXXXLは一着僕がいただきますね。
本日ご紹介した商品は、9/2(土) 12:00〜販売します。
cliché 木下