Cassidy Red / Sundance Gold ― 最後のRios of Mercedes

Rios of Mercedes|Cassidy Red & Sundance Gold
こんばんは。cantáte 松島です。
先日、Riosの作りや経年変化についてはたっぷりとお話ししました。
今回は──最後の入荷となる、特別な2足のご案内です。
ところで、映画『明日に向かって撃て』をご覧になったことはありますか?
今回の2足は、その映画から着想を得てデザインしたモデルです。
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Cassidy Red
COLOR: RED
SIZE: 8.5D / 9D / 9.5D / 10D / 10.5D / 11D
映画『明日に向かって撃て!』の主人公、ブッチ・キャシディをイメージした一足。
無法者でありながら、ユーモアと知恵を兼ね備えた彼のキャラクターは、赤にピンクを差したこの独特の色に重なります。
情熱的で力強いのに、どこか柔らかさを帯びた色合いは、まさにブッチそのもの。
アッパーには、しなやかなコンビ鞣しの厚手カーフを採用。
職人の手で精緻にステッチを走らせ、Riosの中でも最もシャープなポインテッドトゥに仕立てました。
あえて高く細くしすぎない履きやすいヒールは、足元をすっきりと見せ、デニムやスラックスとも好相性。
歩くたびに軽快さと存在感を同時に演出してくれます。
そして履き込んだ後は、バッチバチのウエスタンヒールに変えても粋だと思います。
「育てる楽しみ」を存分に味わえる一足です。
光の加減で表情を変えるのも、このレザーの魅力。
晴れた日には鮮やかに、夜の灯りの下ではぐっと深く。
やがて赤は落ち着き、プルアップ部分がピンクの陰影を浮かび上がらせ、ピンク、レッド、バーガンディーが混ざり合った“あなただけのCassidy Red”へと育っていきます。
これは単なる赤いブーツではありません。
無法者の名前を冠した、知性と情熱を宿す赤。
履く人の人生に寄り添いながら、物語を刻んでいく一足です。
・8-Tone Ombre Stitching – JOHN PAT
外側からGOLDEN BROWN、GOLD、CREAMの順にステッチを重ねています。
・PERFS ON TONGUE
サイズによっては、パーフォレーションのない仕様となる可能性があります。
・A LONG TOE
レザーを削り出して仕立てたトゥは、ひとつとして同じものはありません。
その不均一ささえ痺れるほど格好がいい。
・Leather sole with a refined half-cut dress finish and traditional wood pegs
重厚なレザーソールに、レモンウッドのペグ。そして艶やかな半カラス仕上げが、全体をぐっと引き締めています。
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Sundance Gold
COLOR: GOLD
SIZE: 8.5D / 9D / 9.5D / 10D / 10.5D / 11D
無口で寡黙、けれど銃を抜けば一瞬で状況を変える。
そう、伝説のガンマン──サンダンス・キッドをイメージした黄金色の一足です。
キャメルとマスタードの中間色に、スエードとスムースレザーを組み合わせることで、光と陰のコントラストを生み出しました。
西部の太陽を浴び、砂塵を蹴立てて駆け抜けるサンダンスの姿をそのまま色に落とし込んだような存在感。
柔らかく起毛したスエードは温もりを、スムースレザーは冷静な光沢を纏い、彼の二面性を映し出します。
エンジニアブーツのように盛り上がったローパートゥと安定感のあるヒールは、乗馬にも街歩きにも安心感を与えてくれる仕様です。
さらに経年とともに色は深まり、履き手の暮らしに溶け込みながら輝きを増していく。
ただ派手なゴールドではなく、”経験を重ねるごとに信頼を増す「黄金」”です。
ぼく自身、いつもならソールをクレープソールなどに張り替えてしまうところですが、この2足に限ってはレザーソールのまま履いてみようと思ってます。
もし張り替えるなら、またレザーソールに。すでにその姿が頭に浮かんでいます。
・Double Stitching – LUNA
月をイメージしたGOLDのダブルステッチ。
・PERFS ON TONGUE
サイズによっては、パーフォレーションのない仕様となる可能性があります。
・Leather sole with traditional lemonwood pegs
荒野がよく似合うROPERスタイルには、半カラスではなく無骨な仕上げがふさわしい。
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Cassidy & Sundance
Cassidy Red と Sundance Gold。
「明日に向かって撃て」をイメージして作った、最後の2足のRios of Mercedes。
REDはブッチ。情熱的で、破天荒。
GOLDはサンダンス。軽やかで、自由で、伝説的。
対照的なのに、ふたりはいつも一緒だった。
そんな関係性をそのままブーツに落とし込んだのがこの2色です。
映画のラストシーン。
銃声が鳴り響く直前、サンダンスが言う。
「なあ、オーストラリアへ行こうぜ。」
ブッチは笑って答える。
「そうだな。明日に向かって撃て!」
追い詰められても、笑いながら未来を見据える二人の姿。
その精神に重ねて作ったブーツです。
これはただのウエスタンブーツじゃない。
明日に向かって進むためのブーツ。
ぼくから語れるRiosの話は、ここまで。
残りは履く人だけが知る物語です。
Butch Cassidy & the Sundance Kid (Final Scene)
Rios of Mercedes|発売のお知らせ
9月13日(土)12:00よりRios of Mercedesのブーツを発売します。
今回も数に限りがありますので、ぜひお早めにご覧ください。
そして13日(土)、14日(日)は、ぼくも終日clichéにおります。
Riosのブーツに関するご相談はもちろん、cantáteの秋冬物についても直接お話しできれば嬉しいです!
ぜひこの機会に、お立ち寄りください。
cantáte 松島 紳