季節はまたぐ。
“LABYRINTHE” — CLASS 26SS
501の話が、なぜ噛み合わないのか?
より確かなものへ —— i’m here 26SS
cantáteの新章が、静かに始まります。
こんばんは。cantáte 松島です。
「スプリングコートって、結局いつ着ればいいんですか?」
展示会や店頭で、何度も聞かれた質問です。
春は短い。寒い日もあれば、急に暖かくなる日もある。
だからスプリングコートは、いつも少し曖昧な存在になります。


このコートは、その曖昧さに正面から向き合って作りました。
着丈120cmのロングバルマカーン。
見た目だけで言えば、決して軽そうな服ではありません。
でも、袖を通すと印象は変わります。
驚くほど軽い。
羽織っていることを、少し忘れるくらい。
防寒性を優先したコートではありません。
風を完全に遮るわけでもない。
その代わり、身体の中にこもる不快さがない。
春夏の風を、そのまま通す感覚に近い。



183cm Size : 46



183cm Size : 48
<cantáte>
”One-Piece Sleeve Balmacaan Coat”
COL : NOIR , MARON
SIZE : 44, 46, 48
¥187,000 TAX IN
身幅は140cmと、かなり余裕を持たせています。
ただ大きいのではなく、分量が自然に落ちる設計。
中に着るものを選ばないし、季節も限定しない。
春にシャツ一枚の上から羽織ってもいいし、
秋冬にニットやジャケットの上から重ねても成立する。
「今しか着られない服」にはしたくなかったんです。
この軽さの理由は、素材と設計にあります。

裏地は裾まで付けていません。

深いセンターベンツ。潔いです。

ベルトは結んでもいい、ポケットに入れてもいい。
経糸にスーピマコットン、
緯糸にフレンチリネンとシルク。
三つの天然素材を、高密度のツイルに組みました。

スーピマコットンの柔らかさ。
フレンチリネンのドライな肌離れ。
そこに、シルク特有の落ち感と、わずかな光沢。
どれか一つが主張するのではなく、
三つが同じ温度で存在している生地です。
近くで見ると上品。
少し距離を取ると、どこか素朴。


身頃裏はコットンレーヨン、袖裏はキュプラ。

大好きなディテールの比翼の前立てと、手で作った両玉縁ポケット。

後ろ身頃があっちこっち行かないように、糸ループがあると嬉しい

細くてシワがないパイピング。

タコ付けベルトループ。

トイレの時、あると嬉しい襟吊り。

ROLEXのミラーダイヤルのような水牛ボタン。
最終仕上げでは、生地に栄養と弾力を与える加工を施しています。
柔らかいだけで終わらせず、
着たときにきちんと戻ろうとする反発感を残しました。
軽いけれど、頼りないわけじゃない。
そのバランスを大事にしています。
このコートは、
「いつ着るか」を決める服ではありません。
今日の気温や、風の強さ、
中に何を着たいかで、自然と手に取る服です。
スプリングコートは春のもの、
そう決めつけなくてもいいと思っています。
季節の境目に迷ったとき、
いちばんストレスなく羽織れる一着。
それが、このコートの役割です。
昔の自分は、
「今の季節に合っているか」ばかり気にしていました。
でも今は、
「今日、これを着たいかどうか」のほうが正直だと思っています。
季節はまたぐ。
服も、またいでいい。
cantáte 松島 紳