走りの服。
季節が変われば、違って見える。
濡らすという選択肢。
春くらいは、理由より気分で。
大人の象徴。
こんばんは。cantáte 松島です。
前回のブログでは、販売スタッフの募集について書きました。
服が好きな方がいれば、ぜひご連絡ください。
さて、今日は少し違う話。
お料理の世界には、
「走り」「旬」「名残」という三つの時期があります。
季節の始まりを少し早く楽しむ走り。
いちばん美味しいタイミングの旬。
そして、季節の終わりを惜しむ名残。
でも洋服の場合、
正しく着ていいのは二つだけだと思っています。

走りと旬。
まずは、走り。
季節が変わるのが待ち遠しい人たちのことです。
1月に冬服をしまい、春物を着はじめる人。
9月からカシミヤのニットを着はじめる、ちょっとやばい人。
ぼくですね。
そんなやばい人いたら仲良くなりましょう。
少し脱線しました。
次は旬。
ちょうど良い時期に、塩梅のいい服を着ること。
気温も空気も合っていて、一番気持ちよく着られるタイミングです。
そして名残。
これは3月、4月になっても
ダウンジャケットを着ている人のことを言います。
服は自分のために着るものでもありますが、
同時に、他人のために着るものでもある。
街を歩いたときに、
「まだそれ着てるのか」と思われるより、
「もうそれ着てるのか」と思われる方が、
後者のほうが圧倒的に格好が良い。
このブログを読んでいる方には
そんな人はいないと思いますが、
もし心当たりがあれば、
そろそろ春物を着ていきましょう。
さて、今回の話は
そんな「走り」の服。
春が待ちきれない人のための
リネンニットです。

<cantáte>
COL : NOIR
SIZE : 0
¥115,500 TAX IN

<cantáte>
COL : NOIR
SIZE : 0
¥93,500 TAX IN
フランス・ノルマンディ地方産の一等亜麻を原料とし、
ウェットスパン製法で紡績した糸を使ったリネンニットです。
ウェットスパンは、水分を含ませながら紡績することで
繊維を整え、毛羽を抑えながら強度と滑らかさを両立させる方法。

リネン特有のドライな質感を残しながら、
ニットとしてのふくらみや柔らかさも感じられる糸になります。
さらに今回は、独自の撚糸と染色によって
糸そのものの発色を引き出しました。
リネンの色は、どこか乾いた奥行きがあります。
光の当たり方によって、表情が少しずつ変わる。

春から夏の空気によく合う色です。
ただし、このリネンニット。
少し普通ではありません。
リネンニットと聞くと、
軽くて、透けて、風が通るものを想像すると思います。
でも今回は逆。
極太のフレンチリネンを贅沢に撚糸し、
3Gというローゲージでしっかりと度詰めに編み上げました。
その結果、1着あたりの糸量は約800g。
リネンニットとしてはかなり重たい。
手に持つとずっしりしますが、
着ると不思議と軽く感じます。
編み地の中に空気が含まれているからです。
この重さのおかげで、
ニットなのにどこかジャケットのような存在感になります。
リネンなのに軽すぎない。
そこが、このニットの面白いところです。




コットンやリネンのカーディガンは開けると前立てがストンと落ちるので、
アンサンブルも素敵です。
カーディガンは、
身頃を天竺編み、襟は総針テープ、
袖口や裾、ポケット口はリブと、各部で編地を変えています。

それぞれの編み地が役割を持ち、
全体の輪郭を作っています。
脇下には三角ガゼットを入れて、
腕の動きに合わせて立体的に動く構造にしました。

袖は自然に落ち、
身体に沿うようなラインになります。
ボックスシルエットですが、
糸量のあるリネンのおかげで縦に落ちる。
そのため、着ると意外とすっきり見えます。
ニットというより、
軽いジャケットのような感覚です。




この角度から見える肩線がたまらない。
プルオーバーも同様に、
極太フレンチリネンを3Gで度詰めに編んでいます。
こちらも糸量は800g以上。
一般的なリネンニットの
「軽くて頼りない感じ」はありません。
しっかりと輪郭があり、
着たときに形が出るニットです。

編み地の切り替えによって
立体的なフォルムを作り、
脇下の三角ガゼットや
袖底の平面構造によって、
腕を動かしたときに
袖が自然に落ち、身体に沿うバランスになります。
ただ大きいだけのニットではなく、
重心が整うように設計しています。

リネンのドライな質感と、
しっかりした編み地。
そのバランスが
春から夏にかけての空気によく合います。

CREDIT
cantáte "Sheepskin Rive Gauche Jacket"
cantáte "Shade Cardigan Jacket"
cantáte "Fine Garbadine French Trousers"

このスラックス、相変わらず素晴らしくて、僕もずっと履いています。
ありがたいことに、ずっと売れています。
気になる方はブログも見てみてください。
季節は、待っていれば来ます。
でも僕は、待ちません。
冬服は12月まで。
1月になったら春服を着ます。
寒いかと言われれば、
もちろん寒い。
でも服って、体温のためだけに着るものでもない。
気分のためでもあるし、
季節を少し先に迎えにいくためのものでもある。
まだ空気が冷たい日に、
リネンのニットを着て歩く人がいる。
そういう人を見ると、
「あ、この人は服が好きなんだな」と思う。
だいたい、そういう人とは
仲良くなれる気がします。

3月に会った人はわかると思うけど、レザージャケットにリネンアンサンブル、
スラックスかジーンズ。
気に入りすぎてずっと同じ格好です。
走りの服。
季節は待っていれば来ますが、
服が好きな人はだいたい待てない。
春が来る前に着るくらいが、
ちょうどいい。
迎えを待つより、迎えに行く人の方が好きです。
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cantáte 松島 紳