501XXで、18歳の自分に返事をする。
今年も悩みました。
「なぜこの眼鏡に惹かれるのか」──その続き。
“良い”を、ちゃんと良いと言えるか
あった方がいいに決まってる。
LEVI’S 501XX - REBUILD VINTAGE
501XXで、18歳の自分に返事をする。

こんばんは。cantáte 松島です。
デッドストックの501XXを解体し、cantáteのパターンに載せ替えて作ったデニムを覚えていますか?
ありがたいことにかなり反響も大きく、自分自身も改めて「やっぱり501XXって特別なんだな」と感じる機会になったんですが、
正直、あの時点ではまだ“完成”していなかった気もしています。
というのも、この企画ってデッドストックを使った時点がゴールじゃないんですよ。
むしろそこから実際に穿いて、洗って、生活の中に入って、ようやく本当の意味で完成していくものだと思っていました。
なので今回は、去年の9月からかなりの頻度で実際に穿いている私物をご紹介します。

我ながら天晴れな色落ちです。

このために作ったレザーパッチ。フォントまで作ったグリーンスタンプ。

ボタンは全て再利用しています。
18歳の頃、デッドストックの501XXなんて雑誌の中の存在でした。
古着屋でガラスケース越しに見るものだったし、もちろん買える値段でもなかった。
仮に買えたとしても、怖くて穿けなかったと思います。
だって、当時の自分からしたら夜の街やお酒やタバコのような“大人の物”みたいな憧れでした。
だからたぶん、18歳の自分が今のこれを見たら、一番驚くのは色落ちじゃない。
「ちゃんと毎日穿いてる」
そこなんじゃないかなと思います。
当時の自分だったら、きっと怖くてここまで穿けなかった。
雨の日なんて絶対に穿かないし、床に座るなんてもってのほかだったと思います。
実際、このデニムに関しては最初からそこまで気を使っていません。
普通に床にも座るし、そのまま車にも乗るし、雨にも濡れた。旅行も行ったし、展示会の準備でも穿いていたし、しゃがむ時も特に気にしない。
ヴィンテージデニムって、穿いていてどこか気を遣う部分があったと思うんです。
「あ、ここ裂けそうだな」とか。
「これ以上負荷をかけたくないな」とか。
でも今回縫われているのは当時の劣化した糸ではなく、今の強度を持った糸なので、極端な話、スクワット余裕っす。
もちろん、501XX特有の空気感や雰囲気は残したい。
でも、気を遣わないと穿けない時点で、自分の中では少し違った。
僕はヴィンテージを再現したかったわけじゃなく、
“ちゃんと生活の中で穿ける501XX”
を作りたかったんだと思います。



実際、見ての通りかなりの頻度で穿いていますが、
気づいたらこればかり穿いていました。
理由は単純です。
楽なんですよね。
もちろん穿き心地もそうなんですが、それ以上に“気持ちが楽”。
ジャケットにも合うし、Tシャツにも合う。革靴でも成立するし、サンダルでも普通に馴染む。
でも、一番大きいのはそこじゃない。
18歳の頃の自分にとって501XXは、憧れであると同時に少し怖い存在でもありました。
もし手に入ったとしても、雨の日には穿けなかったと思うし、床に座るのも躊躇したと思う。
傷を付けたくない。
価値を下げたくない。
そんなことばかり考えていたはずです。
でも今は違う。
普通に穿いて、普通に洗って、普通に生活する。
そのために作ったデニムです。
デニムって結局、そこが一番大事なんじゃないかと思っています。
「今日はこれを穿きたい」と思うより先に、気づいたら手が伸びている。
本当に良いデニムって、たぶんそういうもの。
色落ちだけで言えば、もっと派手に落ちるデニムはいくらでもあります。
ヒゲが強いとか。
縦落ちがどうとか。
そういう見せ方ももちろんある。
でも今回改めて思ったのは、結局僕が好きなのはそこじゃないということでした。
少し褪色して、少し擦れて、裾がボロくなって。
それでも全体で見た時に普通に格好が良い。
むしろ、
“普通に格好が良い”
が一番難しい。
デニムって、頑張りすぎると急に穿けなくなるんですよ。
でもこれは、気を抜いて穿いてもちゃんと成立する。
そこはかなり理想に近づけた気がしています。
だってこの生地はぼくは作っていないから、この生地を作っていた人の意図の汲み取る必要がある。

W76inchのフロントボタンをそのまま使用しているので、ボタンフライは3つです。

セルヴィッチもいい感じに枯れてます。

オリジナルだとここがボロボロになると思います。
どうですか?
昔の僕は、デッドストックを見ると緊張していました。
でも今は、綺麗に保管されているものより、ちゃんと穿かれて、洗われて、その人の生活が乗っているデニムのほうが好きです。
たぶんそのほうが、服として正しいから。
18歳の自分に見せたかったのは、完璧な保存状態のヴィンテージじゃない。
ちゃんと毎日穿かれて。
ちゃんと洗われて。
ちゃんと生活の中で使われて。
それでも格好が良いまま残っている一本。
今回紹介するのは、そうやって実際に穿き続けたcantáteの501XXです。
これでようやく、あの頃の自分に見せたかった実物になった気がしています。
当時の自分は、たぶん色落ちなんか見ていない。
きっと一番驚くのは、
「本当に穿いてるじゃん。」
その一言だと思います。


cantáte 501XX - REBUILD VINTAGE
今年はDenim Straight Trousersをベースでオーダー受けます。
26 / 28 / 30 / 32 / 34 / 36 inch
お好きなサイズをお選びください。レングスのご相談も承ります。
※全て未洗いのデッドストック状態でのお渡しとなります。湿度や保管状況により、想定より縮まない、または縮む可能性があります。予めご了承ください。
納期:3ヶ月
価格:ASK(お問い合わせください)
限定:3本
発売日:2026年6月20日(土)
購入条件:過去にcantáteのデニムをご購入いただいたことのあるお客様
遠方にお住まいの方や通信販売をご希望の方は、お手数ですがメールやInstagramのDMよりお問い合わせください。
できる限りご対応させていただきます。
ぼくも欲しい、、、
cantáte 松島 紳